一方、後で冷静になった嫁は「お義母さんに大変なことを言ってしまった」と反省し、その夜、正蔵とともに香葉子さんの部屋を訪れた。
「正蔵が、『お母さんのことを大変怒り散らしたそうですけど勘弁してやってください』って謝るの。嫁も『お義母さん、ごめんなさい』って。でもね、そうやって怒ってくれたことがうれしかったの。嫁は本当に私のことを心配してくれていてね。手術の時も、時間が長かったから手術が終わるまですごく心配していたそうです」
その頃三平はまだ結婚していない独身の身。「がん」と聞いて、いてもたってもいられず、執刀する予定の外科医の元に、背広を着てネクタイを締め、香葉子さんより先に話を聞きに行ってしまった。
「私が受診するより早く病院に行って、『うちの母はステージいくつですか? IVですか?』って。先生は『これから細かい検査をして手術をするから、大丈夫ですよ』と伝えてくださって、それを聞いて安心して、やっと仕事に行ったようです」
もちろん、美どりも次女でタレントの泰葉(55才)も心配した。特に泰葉は、2007年に落語家・春風亭小朝(61才)との離婚騒動で注目を浴びたが、香葉子さんのがんはその2年後のことだった。
「泰葉はまだ精神が不安定な時期だったから、病室で大きな声で『お母さん、大丈夫?』って声をかけるんです。『大丈夫、大丈夫、そんなに大きい声を出したら周りがびっくりしちゃうから』となだめて…。
泰葉は仕事に行っても、急いでドレスの衣装のまま病院に戻って来るんです。手術の時は個室に簡易ベッドを入れて、ずっと付き添ってくれました。手術の9日後に鹿児島の講演会が予定されていたのですが、先生のOKが出たので、正蔵の嫁と一緒に泰葉も鹿児島まで付き添ってくれたんですよ」
※女性セブン2016年12月8日号