ビジネス

DMM.com亀山会長 露天商から年商2000億円の経営術

ネット配信ほか多岐にわたる事業を手がける

 何をやっているか分からない。いや、分からないからこそ強いのだ。動画配信やFX、ロボット事業まで展開する「DMM.com」亀山敬司会長(55)に話を聞くと、そんな気になってくる。年商2000億円ながら一切素性を公開しない経営者。ノンフィクションライターの山川徹氏が、その異端マネジメントの真髄に迫る。

 * * *
 勢いを象徴する風景である。東京・恵比寿ガーデンプレイスタワーのDMM.com受付フロア。様々な人種の人たちがひっきりなしに出入りしていた。サラリーマン風の人に、パーカーにリュックといった学生らしい若者たち。アーティストっぽい出で立ちの女性も公務員のようなスーツ姿のグループもいる。なかには杖をついた高齢者もいた。

 人種と書いたのは比喩じゃない。ソファで順番を待つのは白人の男女で、オフィスから出てきたのはダウンジャケットを着た黒人青年だった。

 ガラス張りの会議室で会長の亀山敬司は、拍子抜けするほど肩の力が抜けた口ぶりで、飾らずに語った。

「昔は人前で語るのがイヤだったんです。語るぐらいならやってみろと思っていたから。でも、いろんな事業で目立ちはじめると『DMMはやくざだ』とか根拠がないことを書かれるし、若い連中が悔しいから説明してくださいよと言うし。それで、しゃべるだけなら、とメディアなどに出はじめたのが2、3年前かな」

 亀山は謎の経営者と呼ばれる。いまもメディアに顔をさらしていない。有名タレントを起用したCMなどでDMM.comの知名度はうなぎ登りだが、創業者である亀山については一般的にはまだあまり知られていない。

 謎が憶測を呼ぶのか。検索エンジンに〈亀山敬司〉と入力すると〈年収〉〈顔〉などという関連キーワードとともに〈やくざ〉〈山口組〉〈北朝鮮〉という不穏な単語が根拠なく並ぶ。DMM.comの躍進と亀山の歩みを合わせて知れば、そんな邪推をしたくなる気持ちも分かる気がする。

関連記事

トピックス

あとは「ワールドシリーズMVP」(写真/EPA=時事)
大谷翔平、残された唯一の勲章「WシリーズMVP」に立ちはだかるブルージェイズの主砲ゲレーロJr. シュナイダー監督の「申告敬遠」も“意外な難敵”に
週刊ポスト
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン
35万人以上のフォロワーを誇る人気インフルエンサーだった(本人インスタグラムより)
《クリスマスにマリファナキットを配布》フォロワー35万ビキニ美女インフルエンサー(23)は麻薬密売の「首謀者」だった、逃亡の末に友人宅で逮捕
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左/バトル・ニュース提供、右/時事通信フォト)
《激しい損傷》「50メートルくらい遺体を引きずって……」岩手県北上市・温泉旅館の従業員がクマ被害で死亡、猟友会が語る“緊迫の現場”
NEWSポストセブン
財務官僚出身の積極財政派として知られる片山さつき氏(時事通信フォト)
《増税派のラスボスを外し…》積極財政を掲げる高市早苗首相が財務省へ放った「三本の矢」 財務大臣として送り込まれた片山さつき氏は“刺客”
週刊ポスト
WSで遠征観戦を“解禁”した真美子さん
《真美子さんが“遠出解禁”で大ブーイングのトロントへ》大谷翔平が球場で大切にする「リラックスできるルーティン」…アウェーでも愛娘を託せる“絶対的味方”の存在
NEWSポストセブン
ベラルーシ出身で20代のフリーモデル 、ベラ・クラフツォワさんが詐欺グループに拉致され殺害される事件が起きた(Instagramより)
「モデル契約と騙され、臓器を切り取られ…」「遺体に巨額の身代金を要求」タイ渡航のベラルーシ20代女性殺害、偽オファーで巨大詐欺グループの“奴隷”に
NEWSポストセブン
ツキノワグマは「人間を恐がる」と言われてきたが……(写真提供/イメージマート)
《全国で被害多発》”臆病だった”ツキノワグマが変わった 出没する地域の住民「こっちを食いたそうにみてたな、獲物って目で見んだ」
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
松田聖子のモノマネ第一人者・Seiko
《ステージ4の大腸がんで余命3か月宣告》松田聖子のものまねタレント・Seikoが明かした“がん治療の苦しみ”と“生きる希望” 感激した本家からの「言葉」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 維新まで取り込む財務省の巧妙な「高市潰し」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 維新まで取り込む財務省の巧妙な「高市潰し」ほか
NEWSポストセブン