大谷の打棒に期待を寄せるのは、“マサカリ投法”で知られる村田兆治氏も同じだ。村田氏は、大谷のプロ入り当時から「打者に専念すべき」と持論を展開していた。
「大谷のスイングは素晴らしいですよ。インコースを引っ張れるし、高めを振り遅れてもレフトスタンドまで持っていける。強い背筋があるから成せる技で、落合博満やノムさん(野村克也)もそうでした。二人が三冠王を獲っているように、大谷も遜色ない成績が残せると思います。
もちろん、投手としての大谷が悪いわけではありませんが、いまの登板数ではカネさん(金田正一)の400勝超えは難しい。大谷にはハリさん(張本勲)の3085安打や、王貞治さんの868本塁打の記録を抜いてもらいたい。そんな“歴史を変えることができる選手”だと思います。
二刀流を続けることで、記録を塗り替える可能性を、中途半端に奪うことにならなければいいのですが……」
撮影■山崎力夫
※週刊ポスト2017年4月21日号