また、DeNAではラミレスや中村紀洋に引導を渡すなどベテランに遠慮することもなく、チームの若返りを進めてきた。采配面に疑問の声もありますが、DeNA時代は予算の都合で中畑氏の理想とするコーチ陣を揃えられなかった。巨人ではその心配はほとんどない。川相氏などの有能な参謀を置けば、中畑氏が活躍した1980年代の生え抜きで強い巨人が戻って来る可能性もあるのではないでしょうか」
“ウルトラC”で考えられるのは、落合博満・前中日ゼネラルマネージャーだ。落合氏は1994年から1996年まで巨人に在籍し、2度のリーグ優勝、1度の日本一に大きく貢献した。
「巨人退団の際、落合氏と直々に会談した渡邊恒雄氏が『将来引退した時は読売グループで受け入れる』と言い、将来の巨人監督を示唆したという報道もあったほど。リップサービスの面もあったのかもしれないが、渡邉氏は中日監督時代の落合氏の采配を高く評価している。落合氏は先ごろ、講演会で現場復帰について『向こうから来てくださいと言われれば、じゃあ……となりますけど』と発言。オファーが来れば、考えるのではないか」(同前)
中日監督時代、系列スポーツ紙でも依怙贔屓することなく、先発投手やケガ人の状況などを明かさず、徹底した情報統制を敷いた。そのことでメディアから反発を招いていただけに、中日以上にマスコミの目にさらされる巨人で上手くいくのか不安も残る。
「たしかに記者の立場からすればやりづらい監督。ただ、一歩引いて考えれば、勝つことを第一目的としての方針ですから、致し方ない。実際にそのやり方で中日を優勝させてきた実績がある。そもそも監督をクローズアップし過ぎの今の球界報道がおかしいのであって、落合監督が鍛え上げた選手がスターになり、常勝軍団になれば雑音は封印されますよ。今の巨人には、落合監督くらいの劇薬が必要かもしれません」(同前)