「私の社長時代、野村監督、星野(仙一)監督、岡田(彰布)監督に指揮をお願いして、優勝できなかったのは野村監督の時だけですが、チームを変えてくれたのはノムさんだと思っています。

 とにかくノムさんは“アピール”を忘れない。キャッチーなボヤキは野村語録としてスポーツ紙がこぞって取りあげたし、新庄(剛志)の投手転向、俊足選手を揃えたF1セブンなど、弱いながらも目を離せないワクワク感があった」

 野村氏のアピールがしたたかな“戦略”に基づくものであることは、今ではよく知られている。

「野村監督は、選手への評価やチームの向かうべき方向性をメディアを通じて伝えていた。だから選手たちも目を皿のようにして翌日のスポーツ紙を読んでいた」(球団関係者)

 前出・野崎氏は「星野監督も“ナインの誰も『優勝』と口にしないのはおかしい”と公言してチームを鼓舞し、オープン戦から勝ちにかかった。実際、就任2年目で優勝している」と振り返った。指揮官の言動はメディアを通してファンにも届き、チームを取り巻く環境がかたちづくられていく。巨人を率いて優勝を遂げてきた川上哲治、長嶋、藤田元司、原辰徳といった監督たちも、使い方は十人十色だが、それぞれに「言葉」があった。

 先人たちと比べると、由伸監督の「言葉の無策」は際立って見える。

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