松居の嫉妬心と、公私にわたる夫の“管理”は並ではなかった。
「船越さんはなんといっても『2時間ドラマの帝王』ですから、地方ロケも多い。ある時、滞在先のホテルからスケジュールを自宅にFAXしている姿を見たことがあります。そうしないと松居さんに怒られるんだとか…。居場所を証明しなければいけないらしく、写真メールで現地の写真を撮って送っていることもありました。
船越さんは優しくて面倒見がいいかたなので、ロケ先で共演者とご飯に行ったり、演技の相談があれば気軽に乗ってあげる。彼を慕っている女優も確かに多い。でも松居さんからすると、夫と仲のいい女優はみんな敵。メールや着信など、些細なことを即座に浮気と結びつけて激昂するんだそうです」(テレビ関係者)
過去に船越と熱愛が報じられた女優に関して、共演をNGにするよう事務所に通達したと報じられたこともある。
「越権行為はそれだけではありません。夫のインタビュー記事も自らチェックしようとするのです。船越さんの事務所の了承を得ているのに、松居さんが気に入らないからと、掲載をやめるよう出版社にクレームを入れたこともあります。あの時は船越さんも参ってしまって…」(出版関係者)
船越の影のマネジャー、いや、それ以上の存在として松居は君臨し続けた。
「船越さんの出演するドラマのスタッフには礼状を欠かしませんし、関心するほどマメな面もあります。梨園の妻でもそこまでやらないだろってくらいにね。良くも悪くも完璧主義者なんです」(前出・テレビ関係者)
マツイ棒から洗剤、圧力鍋など、今や計16の主婦向け商品をプロデュースするカリスマ実業家の松居は、仕事場でもその片鱗を見せていた。
たとえば通販番組で彼女のプロデュース商品を取り扱う際のこと。
「写真の角度、宣伝文句、使い方まで松居さんからの指示が異常に細かくて…。テレビ的に映える写し方があるんですが、全て松居さんの希望に沿わないとNGなんです」(別のテレビ関係者)
画面に映し出される松居の笑顔の裏で、スタッフはミスしないよう戦々恐々としてきたという。
結婚以来、公私の全てで常に100%の理想を求める松居の姿勢が、船越を徐々に追い詰めていった。
象徴的な出来事が、2007年に本誌が報じた松居の家政婦トラブルだった。
三度の飯よりお掃除が大好きな彼女だが、自宅の掃除は4~5人雇った家政婦に大半を任せており、ミスも許さなかった。
指示したことがなされていないと、「あなたは脳味噌があるの!?」と怒鳴りちらし、モノを投げることもあったという。
当時、フィリピン人家政婦が交番に駆け込んだことで騒動が明るみに出た。
「その後も、松居さんの厳しさに耐えられず続々と家政婦がやめていき、ドラマ撮影で多忙な船越さんが朝のゴミ出しや玄関前の掃除をやっていた時期もあります。“まいっちゃうよなぁ”と言いながらも、船越さんはせっせとこなしていました。早朝の家事とハードな俳優仕事の両立は相当ストレスがたまったはずです」(前出・船越家の知人)
この頃から、船越の夜の外出が増えていった。行きつけの店で深夜ひとり酒を飲み、店主を相手に悩みを打ち明ける船越の姿を本誌は何度も見てきた。
彼の口から出るのは、ほとんど松居の愚痴だった。