愛知県体育館ではサブ体育館を2分割して支度部屋に充てている。そのため風呂が東西に分かれていない。対戦直後に興奮したままの力士が顔を合わせるためか、衝突も起きやすいのだ。また東西の力士が容易に接触できるため、かつては八百長の交渉場所になっていた。
2009年の名古屋場所では「砂かぶり」と呼ばれる維持員(協会維持費を支払った会員)席で、暴力団幹部多数が観戦していたことが判明。チケットを手配した木瀬親方が処分を受ける事件も起こった。
大ブームのなかで不祥事は避けたいのか今年は維持員席のチケットには〈売買行為があった場合は退場及び退会処分とする〉という警告が赤地に白文字で大書きされた。「先場所まではなかった表記」(前出の協会関係者)だという。
2009年に発覚した暴力団による観戦はいずれも向正面の席で、「中継に映り込んで刑務所に収監されている幹部に顔を見せる」のが目的だった。
名古屋場所では、そうしたテレビに映り込む席で異彩を放つ女性がいる。中継を見ていると毎日、東西の花道の脇に着物姿の派手な女性が座っていることに気付くはずだ。