七月場所での七勝をもったいないと思わずに、思い切って九月場所も休場してはどうか。九月場所は半枚落ちの西四枚目であろうから、全休しても翌場所は幕内にいられる。膝が完治しないまま上位ではげしい相撲を取るのであれば、未来に影響する傷になりかねない。私は目先の宇良より、大関、横綱となり今後長く活躍する宇良がほしい。
立行司の式守伊之助は、結びとその前の取組を裁く。三役格行司の式守勘太夫は、結びから数えて三番目と四番目の取組を担当している。
宇良のスピード感が存分に活きるのは、勘太夫に裁かれる時だ。結びの一番にはもちろん価値があろうが三番目、四番目で取ってほしい。某行司のように力士と衝突し相撲の邪魔になることは、勘太夫はない。動きを先読みしピョンとポジション変えをして、宇良が大暴れできる舞台を用意してくれる。
もしも九月場所に宇良がいなかったとしても、五時半にバックダンサー勘太夫を従えた宇良のすさまじい相撲がよみがえる日を想像すると、さほどさみしくなくなってくる。
※週刊ポスト2017年9月1日号