それは、新卒で入った「TBS954キャスタードライバー」の中継を受けるTBSラジオ内のラジオマスター室に常設された、通称「無線室」でのことだ。

 ここは、「954」を含むラジオカー=中継車の電波測定をしたり、音声チェックをしてスタジオに繋いだりする場所。早朝から、ときには深夜にも出ていく中継車の音声を受ける「無線室」のオペレーターは、当時、男子大学生がアルバイトで担当していた。

 この「無線室」にやってくるのは、各大学の放送研究会に所属する、アナウンサー志望の男子たち。実際、NHKの元エグゼクティブアナウンサーの渡辺英美氏や、日本テレビの人気アナウンサーだった小倉淳氏、テレビ朝日の『欽ちゃんのどこまでやるの!?』で「ほんとのアナウンサー」として人気を博した藤井暁氏(現在は異動)ら、在京局のアナウンサーを多数輩出している。

 なかでも小倉氏は、「無線室」でバイトをする傍ら、久米宏の『ぴったしカン・カン』の影武者をしていたことも。当時、視聴者参加型だった同番組のオーディションの司会を担当しながら、アナウンスの勉強やテレビ業界の作法を学んでいたのである。

 その「無線室」の予備軍としてやってきたのが田中裕二。実際、シフトには入らなかったようだったが、そうした“環境“に一時、身を置いていたのは確か。田中は高校時代、「ウーチャカ」という愛称で『ウーチャカ大放送』なる校内ラジオのパーソナリティーをしていたともいうし、人前に出るのが大好きで、男性アイドル風の衣装に身を包み、ものまねをしている写真は度々バラエティー番組などで紹介されている。

 また、『ミスDJリクエストパレード』(文化放送)のハガキ職人をしていたこともあったということで、爆笑問題になる前から、ラジオやテレビが大好きで、番組を仕切るタレントやアナウンサーなどの振る舞いを隅々までチェックしていた青年だったというワケだ。

 こうして長年培った“仕切り力”と、本物のアナウンサーやアナウンサー志望の学生らの近くで学んだ“アナウンス力”によって、いまの田中裕二が出来上がっていることは間違いなさそうだ。

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