国内
2017.11.15 16:00 週刊ポスト
死刑判決の筧千佐子被告 証拠となった通話のやり取り
2012年3月9日、千佐子と会った後に本田さんがバイク運転中に倒れ死亡が確認されると、その約5時間後に彼女は開錠業者に電話をかけていた。筧さんが倒れた時とは対照的に、急かすように本田家の金庫を開けてほしいと依頼する声が残っていた。
「あのッ、超特急指定とかないんですかッ?」
すでに営業時間外だったため、業者は翌日の午前8時以降に電話するよう答えると、待ちきれない様子で彼女は続ける。
「アバウトでいちばん早いのはいつ頃になります?」
交際相手が亡くなってすぐの対応としては、不自然だと検察側は強調した。
さらに法廷では、苛立った彼女が、年若い女性裁判員に食ってかかる姿を見せることもあった。9月26日に開かれた被告人質問でのことだ。裁判員から筧さんの遺族に対して申し訳ないとの気持ちはないかと問われた彼女は、こう返した。
「反省してない、してるの問題じゃないでしょ! そんな少女ドラマみたいなこと言わないですよ! 失礼です。あなたのお母さん、おばあさんの年ですよ。失礼です!」
それは千佐子のプライドの高さと、内に秘めた烈しさを象徴するかのような苛立ちの言葉だった。
(文中一部敬称略)
●おの・いっこう/1966年福岡県北九州市生まれ。「戦場から風俗まで」をテーマに北九州監禁殺人事件、アフガニスタン内戦、東日本大震災などを取材し、週刊誌や月刊誌を中心に執筆。著作に『震災風俗嬢』(太田出版)、『新版 家族喰い 尼崎連続変死事件の真相』(文春文庫)などがある。
※週刊ポスト2017年11月24日号
関連記事
トピックス

資産6兆円「アリババ創業者」は身ぐるみはがされ出国禁止か
NEWSポストセブン

総理首席秘書官が3か月半で異例の交代 近づく官邸崩壊の足音
週刊ポスト

トイレ醜聞、入会拒否の屈辱受けるイバンカ・トランプの落日
NEWSポストセブン

コロナ無関係休場の鶴竜に元横審委員長「辞めてもらうしかない」
週刊ポスト

2月復帰戦の瀬戸大也 「スイムキャップのマーク」はどうなるか
週刊ポスト

池脇千鶴、『その女、ジルバ』の熟女ホステス役は“事件”だ
NEWSポストセブン

草なぎ剛の妻 交際後に夜遊び卒業、酒もたばこも止めSNS全削除
女性セブン

納車1年待ちが続くジムニー 「ミニゲレンデ」評の実力は本物なのか
NEWSポストセブン