「陛下が退位を望まれた大きな要因の1つは、高齢となられたことで象徴としての務めを充分にまっとうできないことでした。その考えは、皇太子さまにも、秋篠宮さまにもしっかりと伝わっているはずです。そうなると、70代中盤で秋篠宮さまが即位されることは、陛下のお気持ちとの間に矛盾が生じる可能性があるわけです」(前出・宮内庁関係者)
さらに、仮に秋篠宮さまが皇位を継承されても、陛下や皇太子さまと同じタイミングでの生前退位を選択された場合、5~6年で再び時代の変わり目が到来することになる。
「退位や即位にまつわる儀式や行事は煩雑で多くの人員や費用がかかります。改元などで国民生活にも影響が大きい。ほんの数年のためにそれを行うことが現実的なのかどうか。 単なる呼称の問題かもしれませんが、秋篠宮さまが『皇太弟』とはならなかったのも、“次の天皇である”という意味合いを弱める狙いがあったともいわれています。20年後なら、悠仁さまは30才を過ぎています。昭和天皇が即位したのが25才の時ですから、決して早すぎるということもありません」(前出・宮内庁関係者)
皇位継承順位は、皇室典範の定めによる絶対的なものであることは間違いない。一方で、陛下の生前退位が実現したように、時代に即したフレキシブルな対応も可能なのだ。だがそうなった場合、紀子さまもまた皇后を“スキップ”されることになる。
「歴史上、雅子さまが皇后として名を残されるのに対し、紀子さまはそうはならない。扱いは大きく異なります。死後も皇后は陵が設けられるのに対し、一般皇族では墓と違いがある。強い責任感のもと、ここまで身を粉にされてきた紀子さまがどんなお気持ちにいたるのか。側近の中には、紀子さまの心が憂鬱な思いで覆われてしまうことを心配する声も少なくありません」(前出・宮内庁関係者)
雅子さまと紀子さま… 2人のプリンセスの胸中にはそれぞれまったく別の「期待と不安」が渦巻いている。
撮影/雑誌協会代表取材
※女性セブン2018年2月1日号