6位・川上哲治(39票)は巨人の「V9監督」のイメージが強いが、現役時代は「打撃の神様」と称された。巨人の名遊撃手としてV9に貢献し、監督としてもヤクルト、西武を日本一に導いた広岡達朗氏が言う。
「王は努力に努力を重ねてナンバー1になった人。センスからいえばイチローが上だが、努力では王が上。長嶋は逆に、生まれ持った才能で実績を残した。カワ(川上)さんも打つことに命を懸けていた努力の人。試合前の打撃練習を一人で独占して、他選手には一人3球しか打たせなかったからね。それでこそプロのバッターです」
◆ただのショートライナーが
「ご意見番」としてお馴染みの7位・張本勲(34票)は、広角打法で日本プロ野球史上唯一の3000本安打を達成。のみならず、500本塁打300盗塁と、長打力や走力も兼ね備える選手だった。現役選手への“喝”に「何様?」との声も上がるが、それだけの実績はある。
「知将」が代名詞の8位・野村克也(30票)は、王に先んじた「戦後初の三冠王」。捕手で三冠王に輝いたのは、世界でもひとりしかいない。
「高校生の頃、オープン戦で南海の試合を観に行って、ノムさんの素振りを初めて観た時は驚いた。なにしろスイングするたびに、ブン、ブンと大きな音が観客席にまで響くんだから。その後もあのバットスイングを超える選手はいない」(71・元公務員)
9位には「怪童」中西太(28票)がランクイン。ショートライナー性の打球がそのまま浮き上がり、バックスクリーンを越えたという「伝説」の持ち主だ。
「少々オーバーにしても、弾丸ライナーでスタンドの最上段まで飛ばすパワーは本当にすごかった。西鉄ライオンズの中西、豊田泰光、大下弘の“水爆打線”は史上最強だったと思う」(75・元会社員)