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2018.08.25 16:00  NEWSポストセブン

吉岡里帆の『ケンカツ』、なぜ4%台まで落ち込んでしまうのか

注目の役者が揃ったが(番組公式HPより)

 ヒットの要素が揃っていても数字に結びつかないこともあるからドラマ作りは難しい。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。

 * * *
『健康で文化的な最低限度の生活』(火曜日午後10時 フジテレビ系)が話題を集めています。というのも、第5話の視聴率が4.8%、第6話が4.9%(関東地区)と、デッドラインの「5%」を割りこみ続けている、という不名誉な理由で。もし「5%」が業界における一つの指標だとするならば、打ち切り危機も単なる煽りニュースとは言えないのかもしれません。

 物語は──東区役所の生活保護担当部署に配属された新人ケースワーカー・義経えみる(吉岡里帆)が主人公。借金苦や自殺未遂、DV……さまざまな事情を抱え相談に来る人、保護を受ける人、保護を拒絶する人。一筋縄ではいかない社会的貧困問題に直面し、奮闘するケースーワーカーのえみる、そして職場の同僚たち。脇には井浦新、田中圭、徳永えりら、今注目の役者がズラリ。

 同名の原作漫画もしっかりとしたコンセプトを持った作品です。作者・柏木ハルコ氏は「人権をどうとらえるかというのが、この漫画の最終的なテーマ」「生活保護制度に対して否定的な考えを持っている方にこそ、この漫画を読んでほしい」とインタビューで語っています。

 原作も役者もメンツが揃っていて、いったいなぜ「4%台」まで落ち込んでしまうのか? その理由を、ちょっと角度を変えて「健康で文化的な吉岡里帆と田中圭は輝けるのか?」という視点から考えてみると……。

 吉岡さんといえば、なんと言っても2017年の話題作『カルテット』(TBS系)で、人の心を弄ぶ謎めいた女性・来杉有朱役で大注目を浴びました。「大好き大好き大好き大好き、殺したい!」「小学校のときはいつも学級崩壊させてた」などと意味不明なセリフをカワイらしく語る有朱。黒い瞳は金属的な冷たさを帯び、笑顔でも目は笑っていない。そんな独特のキャラが吉岡さんにピタリとはまり、注目されたのでした。

 いや、吉岡さんは『カルテット』の前年、すでにクドカンのドラマ『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)で不気味キャラによるブレイクの兆しを見せていた。教育実習生・佐倉悦子の役を演じましたが、これが担当教諭・山路一豊役の松坂桃李を食ってしまうほど。ツンデレ系で突然告白したり、泣き出したり、学級内でのいじめ発生を主張したりして、とことん山路を振り回す。純でウブな山路がアタフタする姿が鮮明に記憶に残っています。こちらもまさしく吉岡さんのはまり役、見事でした。

 つまり、「来杉有朱」も「佐倉悦子」も一見すると普通の女の子だけれど、謎めいた破壊者の影がちらついて、「常識」という枠組を壊していくいわばトリックスター。それが物語を回していくカンフル剤となっていた。

 吉岡里帆さん自身もそう。ビジュアルはかわいくて正統派、しかし実はトリックスター的魅力を潜ませている。そもそも役者を目指すきっかけが、大学時代にアングラの王様である唐十郎の『吸血姫』を演じ、芝居にハマったというのだからアバンギャルド性が潜んでいる。では、今回のような市役所の職員役は……どうもハマりにくい。車のCMで オカッパ頭の「おとなまる子」はなかなかな味わい深いのですが……。

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