芸能

爆笑問題に追いつけないアラサー芸人 積もる愚痴に凄みあり

爆笑問題の出世速度は驚異的だった(イラスト/ヨシムラヒロム)

 日本の平均寿命が世界一になったからではないだろうが、若手芸人が高齢化している。爆笑問題30周年記念ライブをきっかけに、彼らの後輩であるウエストランドのYouTube番組『ぶちラジ!』を視聴しながら、イラストレーターでコラムニストのヨシムラヒロム氏が、くすぶっているアラサーはなぜ愚痴が多いのかを考えた。

 * * *
 先月、爆笑問題の30周年記念ライブ『O2-T1』を観劇した。タイトルは、太田(O)が2個で田中(T)が1個。それぞれの睾丸の数からとったという。おなじみの時事漫才ではなく、ブラックジョークが光る連作コントが披露された。爆笑できたか?と聞かれれば微妙だが、近い距離で2人が演じる姿を見られただけで儲けもの。

 30周年を記念した冊子が貰えたことも良かった。インタビュー、後輩からメッセージ、「爆笑問題の30周年を振り返る!爆問年表」と充実の内容で。公演が始まるまで、ずーっと年表を熟読していた。

 爆笑問題が結成されたのは1988年、太田22歳、田中23歳のころである。その1年後にお笑い番組のレギュラーを獲得し、5年後には事務所「タイタン」を設立している。

 少し飛ぶが、11年後の1999年には『第22回24時間テレビ』の武道館応援隊長を就任。『24時間テレビ』への出演は、タレントパワーを持っていることの証。つまり、太田33歳、田中34歳の頃には老若男女に知られる芸人になっていたこととなる。

 また、爆笑問題は最初に所属した太田プロから独立したことで、表立った芸能活動ができない期間があった。そういったことを踏まえれば、この出世速度は驚異的。以降、現在までの20年間に渡り、国民的芸能人として君臨している。

 先日、20歳の友人が「やっぱり爆笑問題って最高ですよね!」と言った。当初は「ふむふむ」と聞いていたが、なんだか腑に落ちない。落ち着いて考えてみて、ハッとした。今年32歳となった僕も20歳のころ同じことを言っていた気がする。12年の月日を経ても繰り返される同様の賛辞。

 これは、憧れを持って語られる芸人が更新されていないことを意味する。

 年表を見れば、爆笑問題は僕の年齢である32歳の頃には各局に冠番組を持っている。時代が違うので単純な比較とはならないが、現在のアラサー世代芸人を列挙してみた。

 小宮浩信35歳(三四郎)、中田敦彦35歳・藤森慎吾35歳(オリエンタルラジオ)、カズレーザー34歳(メイプル超合金)、みやぞん33歳(ANZEN漫才)、澤部佑32歳(ハライチ)、イモトアヤコ32歳、柳原可奈子32歳、渡辺直美30歳。

 何れ劣らぬ人気者だが、現在、地上波で多数の冠番組を持つ人はいない。

 学生時代に出会った友達同士でコンビを組み、プロとなりネタで顔が売れ、地上波で冠番組を持ち、深夜ラジオでは素の表情を見せる人気パーソナリティー、なおかつベストセラー作家。若者が夢見るステレオタイプの人気芸人、実はオードリー以後登場していない。

 当人の努力が足りないなんてことはさらさらない。知人のアラサー芸人を見る限り、みな努力家だ。ほぼ毎日ライブに出演し、芸を披露している。

 この世代は、とんねるず、ダウンタウン、ウッチャンナンチャンの全盛期を知っている。しかし、3組が躍動していたころのテレビを自身が再現することが難しいとも理解している。かといって、面白さを求める先をYouTuberに全振りできるほどのYouTubeを愛せない。旧態依然と知りつつもテレビに憧れる。

関連記事

トピックス

Mrs. GREEN APPLEのギター・若井滉斗とNiziUのNINAが熱愛関係であることが報じられた(Xより/時事通信フォト)
《ミセス事務所がグラドルとの二股を否定》NiziU・NINAがミセス・若井の高級マンションへ“足取り軽く”消えた夜の一部始終、各社取材班が集結した裏に「関係者らのNINAへの心配」
NEWSポストセブン
山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン
保護者責任遺棄の疑いで北島遥生容疑者(23)と内縁の妻・エリカ容疑者(22)ら夫妻が逮捕された(Instagramより)
《市営住宅で0歳児らを7時間置き去り》「『お前のせいだろ!』と男の人の怒号が…」“首タトゥー男”北島遥生容疑者と妻・エリカ容疑者が住んでいた“恐怖の部屋”、住民が通報
NEWSポストセブン
モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
《交際説のモデル・Nikiと歩く“地元の金髪センパイ”の正体》山本由伸「31億円豪邸」購入のサポートも…“470億円契約の男”を管理する「幼馴染マネージャー」とは
NEWSポストセブン
学業との両立も重んじている秋篠宮家の長男・悠仁さま(学生提供)
「おすすめは美しい羽のリュウキュウハグロトンボです」悠仁さま、筑波大学学園祭で目撃された「ポストカード手売り姿」
NEWSポストセブン
モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
「港区女子がいつの間にか…」Nikiが親密だった“別のタレント” ドジャース・山本由伸の隣に立つ「テラハ美女」の華麗なる元カレ遍歴
NEWSポストセブン
米大リーグ、ワールドシリーズ2連覇を達成したドジャースの優勝パレードに参加した大谷翔平と真美子さん(共同通信社)
《真美子さんが“旧型スマホ2台持ち”で参加》大谷翔平が見せた妻との“パレード密着スマイル”、「家族とのささやかな幸せ」を支える“確固たる庶民感覚”
NEWSポストセブン
高校時代の安福容疑者と、かつて警察が公開した似顔絵
《事件後の安福久美子容疑者の素顔…隣人が証言》「ちょっと不思議な家族だった」「『娘さん綺麗ですね』と羨ましそうに…」犯行を隠し続けた“普通の生活”にあった不可解な点
デート動画が話題になったドジャース・山本由伸とモデルの丹波仁希(TikTokより)
《熱愛説のモデル・Nikiは「日本に全然帰ってこない…」》山本由伸が購入していた“31億円の広すぎる豪邸”、「私はニッキー!」インスタでは「海外での水着姿」を度々披露
NEWSポストセブン
優勝パレードには真美子さんも参加(時事通信フォト/共同通信社)
《頬を寄せ合い密着ツーショット》大谷翔平と真美子さんの“公開イチャイチャ”に「癒やされるわ~」ときめくファン、スキンシップで「意味がわからない」と驚かせた過去も
NEWSポストセブン
生きた状態の男性にガソリンをかけて火をつけ殺害したアンソニー・ボイド(写真/支援者提供)
《生きている男性に火をつけ殺害》“人道的な”窒素吸入マスクで死刑執行も「激しく喘ぐような呼吸が15分続き…」、アメリカでは「現代のリンチ」と批判の声【米アラバマ州】
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン