たとえば新日鐵住金の場合、韓国鉄鋼大手ポスコと設立した合弁会社で保有している約234万株のうち、一部原告への賠償額に相当するとみられるのは約8万1000株と報じられている。場合によっては、提携関係を見直すという選択肢もある。差し押さえを機に、日本企業が韓国から撤収するような事態が相次げば、困るのは韓国のほうだろう。
逆に、日本の一部では韓国に対して「国交断絶」や「ビザなし渡航の制限」まで叫ぶ向きもあるようだ。しかし、それは得策ではないと思う。なぜなら、韓国国民の中には政府の姿勢と関係なく、日本に来たがっている人が多いからだ。
日本政府観光局(JNTO)の統計によると、2018年の韓国からの訪日観光客は前年より約40万人増えて約754万人。これは中国の約838万人に次いで二番目に多く、総数(約3119万人)の24%を占めている。つまり、国民レベルでは「親日」が続いているわけで、断交やビザなし渡航の制限で損をするのは日本なのである。まさに“お客様は神様”であり、それを減らすような行為は国益に反するのだ。
何よりも韓国は、国を脱出したいと考えている国民が(おそらく先進国中で最も)多い国だということを念頭に置かねばならない。
すでに指摘してきたように、実は韓国人の多くは自国が大嫌いだ。なぜなら、縁故採用が跋扈しているためにカネとコネがない人間にとっては夢も希望もなく、財閥系大企業の社員や官僚にならないと豊かな生活ができないからだ。その理不尽な現実を非難する「ヘル朝鮮(地獄の朝鮮)」という言葉があるほどで、そこまで自国民に嫌われているということは、考えてみれば「可哀想な国」なのである。だから隣の日本を“外敵”にして悪く言わないとやっていられないのだ。