謝罪する宮迫とロンブー亮(撮影/平野哲郎)
◆反社会的勢力がスキを狙っている
そもそも「闇営業」とは、会社を通さず、タレント個人が仕事を受けて、ギャラを受け取る行為を指した。それだけならば会社がタレントを指導するなり、明確なルールを作るなりすれば済む話なのだが、今回炎上を招いたのは宮迫や田村らの闇営業先が「反社会的勢力」だったからだ。
そこにさらに、会社最高幹部によるコワモテの圧力発言が発覚。そんな“ダーティーな印象”が幾重にも重なって、「社会に強い影響力を持つ吉本興業は、どういう会社なのか」と関心を集めたわけだ。
吉本興業は1912(明治45)年、吉本吉兵衛・せい夫妻の寄席経営に始まる。当時はテレビはもちろんラジオさえ普及していない。芸人が活躍していたのは、観客を集め催事を行う「興行」。吉本は創業間もなく寄席を次々に買収し、わずか10年で上方演芸界を掌握する存在になった。
「芸能・興行の世界は、会場の手配や警備、チケット販売、タレントの確保や権利関係の整理などさまざまな面で、かつては『暴力団』と切っても切れない関係でした。
たとえば、日本最大の暴力団組織・山口組の二代目組長は、吉本興業の社長(当時)からタレントの権利トラブルの仲裁を相談されて解決に尽力。その際に相手組織から恨みを買って襲撃され、その傷がもとで死去しています。
また1968年には、山口組の三代目組長と一緒にレコード会社の乗っ取り事件を起こし、逮捕されたこともある」(芸能ジャーナリスト)
1987年には間寛平(70才)や坂田利夫(77才)が暴力団組長の誕生日パーティーに出席していたことが発覚。1995年にも横山やすしさん(享年51)が暴力団幹部と兄弟盃を交わす写真が報じられた。近年では2011年、島田紳助さん(63才)と暴力団会長らとの交際が明らかになり、島田さんが引退、表舞台から姿を消したことは記憶に新しい。
暴力団との交際がタブーの時代になっても、過去には親密だった経緯があり、いつも反社会的勢力は吉本芸人に近づこうと狙っている。今回の闇営業問題では、人気芸人が一瞬のスキを突かれた──そんな見方もできるだろう。
※女性セブン2019年8月8日号
涙をぬぐう宮迫とロンブー亮(撮影/平野哲郎)