ずっと前から指摘していることだが、韓国では子供のころから旧日本軍が韓国女性を拷問しているような展示を見せ、日本が「悪」であることを叩き込んでいる。だからこそ、昭和20(1945)年の終戦以降、100万人どころか1人の韓国人も戦争で殺していない日本のほうが北朝鮮より憎まれるという、きわめて異常な事態が実現してしまった。左翼勢力の宣伝教育工作の大勝利である。

 その頂点に文在寅政権がある。「恨」の感情を利用した慰安婦問題や徴用工問題に関する不当な言いがかり、あるいはGSOMIA(軍事情報包括保護協定)の破棄をちらつかせる不当な牽制に妥協すれば、相手はますます図にのって無法な要求を繰り返すだろう。だがそれは韓国にとって亡国への道である。

 終戦、そして1965年の日韓基本条約締結から2019年までの日韓関係を総括するなら、韓国の嘘に基づく不当で過大な要求を、日本が戦前に対する「贖罪意識」もあって逆らうことなく応じてきたという形だろう。しかし、韓国から従来の姿勢を反省し歴史を直視しようという動きが出てきた2019年は、新たな歴史の分岐点でもあった。そうした目覚めた人々と連携すれば新しく真に友好的な日韓関係を築くことができると、私は確信している。

※週刊ポスト2020年1月3・10日号

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