だが、「紅白」の一番「紅白」らしいところ、民放の音楽番組と違う点は、またしても紅組の司会が綾瀬はるかということだ。民放は嵐のメンバーや安住紳一郎、タモリなど安定した司会者が揃う。司会者の動向に注目が集まることはほとんどない。一方、綾瀬はるかは、かつてTOKIOとのトークで「天然とはちょっとワケが違う」と自身を評したものの、その「ワケ」が解明されないまま今日に至る。
これまで二回(2013年、2015年)の綾瀬登板の「紅白」では、放送中、紅組の歌手だけでなく、総合司会者、白組一同、視聴者もみんなで彼女をハラハラと見守ってきたはずだ。
さすがに二回目は落ち着いてきたのか、ゴールデンボンバーが四回連続『女々しくて』を紅白で歌う珍記録を達成したと聞いて「あと何年この曲でいかれるんでしょうね…」とつぶやいたりしていたが、三度目はどんな発言が? 綾瀬司会が無事に終わると「よかったよかった」と胸をなでおろす。いまや、この瞬間が一番「紅白」を実感できるときなのかもしれない。