もともと『恋はつづくよどこまでも』も『テセウスの船』も漫画原作の実写化であり、前者は2016年~2019年、後者は2017年から2019年と、ほぼ同じ時期に連載されていました。

 2つ目の共通点は、あふれんばかりの愛情を熱っぽく伝えるピュアな登場人物たち。新型コロナウイルスの感染拡大などの暗いニュースが続いているだけに、愛情たっぷりの登場人物たちに引かれるのは当然なのかもしれません。また、主人公が「大切な人のために体を張る」「どんな困難でも向き合う」、“勇者”である点も似ていますし、どちらも視聴者に「応援せずにはいられない」と思わせるタイプのキャラクターなのです。

 最後に挙げておきたい共通点は、ネットと相性のいいストーリー。『恋はつづくよどこまでも』は“デレキュン”と名付けられた甘いシーン、『テセウスの船』は長編ミステリーならではの犯人考察を中心に、今冬では断トツのツイート数を叩き出しています。

 視聴率が右肩上がりになるのは、ネット上の評判を見て途中から見はじめる人や、録画か配信で時間差視聴していた人が、リアルタイム視聴するようになったから。ドラマを見ながらSNSに書き込んで盛り上がるだけでなく、ドラマを見る数時間前からSNSに書き込んで盛り上がれる。さらに、ドラマを見終えた直後にSNSに書き込んで盛り上がれるストーリーが、両作の快進撃を支えています。

 まもなく迎える最終話の視聴率はどこまで上がり、ネット上の書き込みはどのくらい盛り上がるのでしょうか。どちらの視聴者も最大級のハッピーエンドを望んでいるだけに、それが見られたときの反響が今から楽しみです。

【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。

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