渦中の杏

 良好な関係を築いていたはずの母娘に、何が起きていたのか。裁判資料には、杏と実母の間に刻まれた溝の深さが記されていた──。

 杏は1986年に渡辺謙とA子さんとの間に生まれた。2才上の兄・大(35才)とともに、人気俳優の娘として不自由のない人生を歩んでいたが、杏が高校生のときに歯車が狂い始める。

 2002年に両親が別居すると、同年7月に渡辺が「離婚成立」と「子供の親権」を求めてA子さんを提訴。その裁判で、驚きの事実が明らかになった。

「A子さんが杏さんの同級生の保護者を含む知人50人から、約2億円もの借金をしていたこと。同時期に心酔していた宗教団体に、約2億5000万円もの大金を振り込んでいたことが明かされました。A子さんの借金を理由に渡辺さんは離婚を申し出たわけですが、これにA子さんが反撃。渡辺さんの不倫疑惑を、女優9人の実名とともに証言したんです。

 当然、家族は崩壊。別居時には渡辺さんが杏さんを連れて家を出たのですが、父親の不貞を知った杏さんが自分の意思でA子さんの元に戻っています。その後、裁判は渡辺さんの勝訴で決着しましたが、杏さんの親権はA子さんが持つことになりました」(芸能関係者)

 以降、母娘で借金返済の“いばらの道”を歩むことになる。

 杏は「借金があるのに学校には通えない」と高校を中退。芸能活動に専念した。親の七光りを避け渡辺姓を名乗らず、モデルとしてキャリアを積み重ねていく。単身での海外留学生活は苦労の連続だった。そして女優業にも進出、2008年には「トップコート」に所属。個人事務所社長にA子さんを据えてスタートを切った。

 蜜月といわれた母娘関係に終止符が打たれた2014年は、杏にとっては大きな出来事が2つ重なっている。

 1つめは杏がNHK連続テレビ小説『ごちそうさん』で共演した東出と、交際をスタートさせたこと。もう1つは、母の借金の完済だ。だが、杏の中では、このタイミングでの決別は以前から決めていたことだった。

父・渡辺謙は見守る(撮影/浅野剛)

関連記事

トピックス

まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
生徒のスマホ使用を注意しても……(写真提供/イメージマート)
《教員の性犯罪事件続発》過去に教員による盗撮事件あった高校で「教員への態度が明らかに変わった」 スマホ使用の注意に生徒から「先生、盗撮しないで」
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《ロマンス詐欺だけじゃない》減らない“セレブ詐欺”、ターゲットは独り身の年配男性 セレブ女性と会って“いい思い”をして5万円もらえるが…性的欲求を利用した驚くべき手口 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
『帰れマンデー presents 全国大衆食堂グランプリ 豪華2時間SP』が月曜ではなく日曜に放送される(番組公式HPより)
番組表に異変?『帰れマンデー』『どうなの会』『バス旅』…曜日をまたいで“越境放送”が相次ぐ背景 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン