2016年11月、味噌造りの現場を訪ねた福井県の老舗・『マルカワみそ』で「100年樽」と

 そんな関さんは、中学校に入学すると「勉強」以外の道に目覚める。

「入った中学は新体操の強豪校。幼い頃から、踊ることが大好きだった私は、自然に新体操部に入部しました。県大会の常連で、部員が20人以上もいる、校内でも人気の部でした。2年生になると部長に抜擢され、試合に出るために、プロポーションを保とうと、“食べないダイエット”を始めました」

 もともと、頑張り屋だった関さんは、「何を食べたら、体にどのような影響が出るか」ということに興味を持ち、納得いくまで追究することにした。弁当は自作し、炭水化物はほとんど摂らず、食事は野菜中心。添加物にも気を使い、ファストフードは一切、食べなかった。

 ストイックに「食と体の関係」を追究した結果、半年で一気に8kgほど体重を落とした。まだ14才、中学2年生のときである。その“努力”が、成長過程にある関さんの体に、後々まで及ぶ影響を与えることとなる──。

「ホルモンバランスが崩れたのか、月経が止まってしまったんです。ショックを受けましたが、しばらくは母親にも話せませんでした…。心配させたくない、というのはもちろんですが、ダイエットを止められるのが嫌だったんですね。

 月経が止まってしまってから半年ほどしてようやく母に相談して、病院に行き、子宮や卵巣の機能など検査をしました。でも、結果は異常なし。原因はわかりませんでした」

 関さんは不安を抱えながら中学を卒業し、県内でも有数の進学校に進み、医師を目指すことにした。新体操は引退したものの、体は元には戻らなかった。勉学に励みながらホルモンバランスを整えるための通院を余儀なくされ、投薬中心の「対症療法」を3年間続けた。そして2001年、山梨大学医学部に現役で合格する。

「医師になるのが当たり前という環境だったので、ほかの職業につくということが想像できませんでした。医学部に入ってから自分は料理が好きだということに気づき、医学生のときから料理教室に通ったり、栄養学についての勉強を続けていました。料理好きが高じて、所属していた写真部の部室を勝手に改造してカフェ化して、友人たちに手料理を振る舞うほどでした。

 そうこうして卒業して研修医になり、病院でいろいろな科を回りましたが、これだ!というものは見つからない。そんなときに起きたのが、東日本大震災だったんです」

関連記事

トピックス

STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
水原一平容疑者は現在どこにいるのだろうか(時事通信フォト)
大谷翔平に“口裏合わせ”懇願で水原一平容疑者への同情論は消滅 それでもくすぶるネットの「大谷批判」の根拠
NEWSポストセブン
大久保佳代子 都内一等地に1億5000万円近くのマンション購入、同居相手は誰か 本人は「50才になってからモテてる」と実感
大久保佳代子 都内一等地に1億5000万円近くのマンション購入、同居相手は誰か 本人は「50才になってからモテてる」と実感
女性セブン
宗田理先生
《『ぼくらの七日間戦争』宗田理さん95歳死去》10日前、最期のインタビューで語っていたこと「戦争反対」の信念
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
JALの元社長・伊藤淳二氏が逝去していた
『沈まぬ太陽』モデルの伊藤淳二JAL元会長・鐘紡元会長が逝去していた
NEWSポストセブン
ムキムキボディを披露した藤澤五月(Xより)
《ムキムキ筋肉美に思わぬ誤算》グラビア依頼殺到のロコ・ソラーレ藤澤五月選手「すべてお断り」の決断背景
NEWSポストセブン
(写真/時事通信フォト)
大谷翔平はプライベートな通信記録まで捜査当局に調べられたか 水原一平容疑者の“あまりにも罪深い”裏切り行為
NEWSポストセブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン
眞子さんと小室氏の今後は(写真は3月、22時を回る頃の2人)
小室圭さん・眞子さん夫妻、新居は“1LDK・40平米”の慎ましさ かつて暮らした秋篠宮邸との激しいギャップ「周囲に相談して決めたとは思えない」の声
女性セブン
いなば食品の社長(時事通信フォト)
いなば食品の入社辞退者が明かした「お詫びの品」はツナ缶 会社は「ボロ家ハラスメント」報道に反論 “給料3万減った”は「事実誤認」 
NEWSポストセブン