「私は不当な扱いを受けている」
近年、日本の皇室はたびたび「男尊女卑」で「女性差別」が行われていると批判を受けてきた。国連女子差別撤廃委員会は2016年、女系天皇を容認するよう是正勧告を出すことを検討していたことが報じられた。2019年には、米紙『ニューヨーク・タイムズ』が即位の礼の一部の儀式を男性皇族だけで行ったことに触れ、世界のスタンダードである「ジェンダー平等」への取り組みと著しく矛盾する、という識者のコメントを紹介した。
比較されることの多い各国の王室を見ても、2022年までエリザベス女王がトップを務めていた英王室、2013年までベアトリクス女王(現在の王女)が君臨していたオランダ王室、エリザベート王女が未来の女王として期待されているベルギー王室などは、男性と女性の扱いに差がない。
「女性活躍やジェンダー平等は、いまや国家を挙げて取り組むべき問題であり、最重要視されているテーマです。日本は、2022年に発表されたジェンダー・ギャップ指数の総合順位が146か国中116位と、ただでさえ男尊女卑がまかり通っている。『国民統合の象徴』である天皇を支える皇室制度までも女性差別的だと見られれば、時代錯誤だと世界から糾弾されるのは自明です」(前出・皇室記者)
そうした状況のなかで、当事者である佳子さまが、「女性活躍」「ジェンダー平等」を繰り返し訴えられているのは「私は皇室で不当な扱いを受けている」と助けを求められているようにもとられかねない。
佳子さまの言動に頭を抱えているのは、皇室を支える宮内庁関係者たちだけではない。現在、佳子さまは秋篠宮邸にほど近い分室(旧御仮寓所)でひとり暮らしをされるなど、独立志向を強められている。
「眞子さんの結婚問題が持ち上がってから、秋篠宮ご夫妻と佳子さまはほぼ没交渉状態。佳子さまがひとり暮らしを所望されるご意思はあまりにお強く、秋篠宮さまは話し合いすらできなかったといいます。
佳子さまは、天皇陛下の姪であり、将来の天皇である悠仁さまの実姉です。ご家族のなかに皇室制度を否定するような発言を繰り返す皇族があっては、秋篠宮さまもお立場がないでしょう。基本的に秋篠宮さまは、ご本人の意思を大事にされる方ですが、それでも佳子さまの言動には頭を抱えられているようです」(皇室関係者)
皇室制度の背景には、神話の時代から綿々と続く歴史や文化や伝統がある。それは日本という国にとってかけがえのないものだ。一方で、ジェンダー平等は、現代社会のなかで絶対的に尊重されるべきことでもある。
その狭間に立ち、恐れずに発信を続ける佳子さまはご自身、そして皇室の未来をどのように描いていらっしゃるのだろうか。私たちもいま、真剣に向き合うときが来たのではないだろうか。
※女性セブン2023年11月16日号