病院からの帰路、沿道の人々にマスクを顎まで下げて応えられた美智子さま(2025年5月、東京・港区)

病院からの帰路、沿道の人々にマスクを顎まで下げて応えられた美智子さま(2025年5月、東京・港区)

いざとなったら上皇さまを受け止める 

 13年前に上皇さまが心臓を患われた際も、美智子さまは誰よりも近くで上皇さまをお支えになった。 

「2012年2月に冠動脈バイパス手術を受けられた上皇さまは、翌3月7日に追加で手術を受けられました。しかしその4日後の11日には、東日本大震災の追悼式典に参加されたのです。 

 このとき美智子さまは、お召し物を急遽洋装から和装に改められた。洋装だとヒールを履くことになりますが、万が一、上皇さまがよろめかれたときに、その場で上皇さまのお体を支えることができない。草履の方が踏ん張りが利くということで、ご自身のお召し物を変更されたのです」(別の皇室記者) 

 ご成婚以来、二人三脚で歩んでこられた上皇さまと美智子さま。おふたりのお姿は、確実に令和の時代に受け継がれている。 

「上皇さまと美智子さまは戦没者の慰霊や被災地の訪問に務められ、『開かれた皇室』のあり方を模索されてきました。現在、皇族の方々が避難所で膝をつき、被災者の手を取って励ましの声をかけられるのは普通のこととして受け入れられていますが、これは上皇ご夫妻が築かれたスタイルです。当時は“皇族がそんなことをするなんて”という批判の声も一部で上がりましたが、上皇ご夫妻は国民に寄り添うことを諦めませんでした。その結果、尊敬を集めるいまの皇室があるのです」(前出・別の皇室記者) 

 御代がわりから7年。皇后として、天皇陛下を支えることの難しさを身をもって経験されている雅子さまはいま、美智子さまのすごみを感じていらっしゃることだろう。 

「雅子さまは体調を崩され、夫である天皇陛下のために尽くしたくても尽くせないもどかしい日々を長く過ごされてきました。だからこそ、在位中から上皇さまとともに各地を飛び回り、90才を超えたいまでも、身を挺して上皇さまに尽くされる美智子さまの強い思いに、震えるほど感じ入っていらっしゃるのではないでしょうか」(前出・宮内庁関係者) 

 ご成婚から66年間変わることのない、美智子さまの一途な愛──「令和流」を築きはじめた雅子さまは、そのお姿を目に焼き付け、受け継がれていく。 

女性セブン2025529日号  

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