『知りたがり!』終了後にスタートしたのは、日本テレビを辞めてフリーになった西尾由佳理をメインにした『アゲるテレビ』だった。番組スタート前、某番組の会議で同席したフジテレビの編成マンに対し、「西尾…、好感度ありますかねぇ?」と言った私に、彼は、何、言ってるの?という表情をしながら「あるでしょう」と胸を張った。
いや…、『ズームイン!!SUPER』(日本テレビ系)時代から、「西尾は付き合いが悪い」「西尾は本音を言わない」などと“評判”だった西尾サン。特に、よくボヤいていたのは長年コンビを組んでいた羽鳥慎一アナ(当時)で、「ボクが退社するときのリアクションに、全く感情が入っていなかった」そうである(苦笑)。
現場ではそんな評判であっても、生放送の仕切りは完璧だし、ルックスは爽やか美人。視聴者の好感度は悪くない…と信じたフジテレビ幹部の気持ちもわかるが、主婦がメイン視聴者の午後帯は、オバサンぽいオジサンや、本物のオバサンがウケる枠。朝帯を爽やかに仕切っていたクールビューティ・西尾サンは“やっぱり”ウケず、『アゲるテレビ』は、なんと2クール(半年)で終わってしまったのである。
それが13年9月のことだ。
“その後”、同局の亀山千広社長は、定例会見の場で度々“午後帯”の改編に触れてきた。もっとも印象的だったのは、14年7月のこのコメント、「午後の事件が、どことは言えませんが、ある局の総取りになっている。ここで打って出ないといけない」である。
それは、イコール、「打倒!ミヤネ屋」と宣戦布告したようなもの。果たして、夕方の顔だった安藤優子キャスターをメインに、さらに、「嫌いだという声が全くなかった」というマーケティング調査結果から俳優の高橋克実を脇に据えるキャスティングをした。
ローカル局の反応はどうだろう。東名阪の各番組にレギュラーをもつ某コメンテーター氏によれば、「安藤さんはもう、そんなに人気がないのでは?」と言うのである。『スーパーニュース』をネットしている某局は、横並びで最下位だというのだ。実は関東でも、日本テレビの『news every.』とテレビ朝日の『スーパーJチャンネル』がトップ争いをする日が多く、安藤さんの『スーパーニュース』は3番手である日が少なくない。
そしてTBSは、何を思ったのか(!)系列局のCBC制作の『ゴゴスマ~GOGO!Smile~』を東京進出させる。同番組が全国的に有名になったのは、あの矢口真里、最後のレギュラー番組だったからだが、東海地方でも、それほど人気番組とは言えないのに、なぜ、在京局のTBSがそれを取ったのか。考えられるのは、日本テレビに闘いを挑むフジテレビに対し、「ウチもやらなければ」「とりあえず…」ということなのだろう。たとえ失敗しても、「自社制作じゃないから」と言い訳できる。
だが、やはりフジテレビだけは、絶対に失敗は許されないのである。実はいまフジテレビは、生の情報番組の多くが強さを発揮している。『めざましテレビ』は横綱で、『とくダネ!』も復活を果たしたし、『ノンストップ!』も横並びトップ。日曜日の『Mr.サンデー』も好調だ。
ご存じのように、その『Mr.サンデー』は『情報ライブ ミヤネ屋』の宮根誠司さんがMC。「3度目の失敗は許されない」というフレーズが飛び交う会議には、その『Mr.~』のスタッフも居るので、ひじょうにフクザツだとは思うが、遠慮は無用…という空気だ。
『直撃LIVE グッディ!』に期待したい。