同局“水10”と言えば、『ハケンの品格』や『働きマン』など、女性の“お仕事ドラマ”を同枠のローテーション女優ともいうべき篠原涼子や菅野美穂がヒロインを演じ、高視聴率を獲得してきた。
今期も、北川景子主演の『家売るオンナ』が好調。脚本家は大石静氏だ。『ハケン〜』は中園ミホ氏で『働きマン』は吉田智子氏と職人気質な女性脚本家による作品が多いことでも知られる同枠。今回の『〜校閲ガール〜』も人気脚本家の中谷まゆみ氏が担当し、「自分のいるべき場所はここじゃない、そう思いながらも頑張っている人たちに、元気とエールを送れるドラマを目指します」とコメントしている。
そう、石原演じる河野悦子は、ファッション編集部配属を夢見て出版社に就職するも、予想もしていなかった「校閲部」に配属されてしまうのだ。
新聞社や出版社ではおなじみの「校閲部」や「校閲室」の主たる仕事は、記者や執筆者らの原稿などの誤字や内容の誤り、不備な点などを調べ、正す、文字通り「地味でスゴイ」人たちが揃った部署である。
かつて『Hanako』編集部を舞台にした松下由樹主演の『オイシーのが好き』(TBS系・89年5月)をはじめ、件の『重版出来!』や『ファースト・クラス』などは、出版社の内部をご存じない視聴者にもある程度、仕事の中身が想像できたハズ。時折、バラエティ番組や生活情報番組で部内が紹介されたり、編集長や編集者の出演なども少なくないからだ。
が、「校閲部」にテレビカメラが入ったことは恐らくないのではないか。
そこに配された“校閲さん”たちは、通常、部屋に籠りきりで、ひたすら誤りを正す地道な作業を繰り返している。だが、石原演じる河野悦子は、校閲を担当した小説の些細な点の事実確認をするため北海道まで飛んで行ったり、週刊誌が追っている事件の真相を確かめるため、現場に潜入することも辞さないアクティブな女性。
「地味」だというから、ファッションやメイクに気を遣わない、石原出演のドラマで言ったら『リッチマン、プアウーマン』(12年7月期・フジテレビ系)のヒロインのようなことを想像していたのだが、『〜校閲ガール〜』では「華やかなファッションで真剣に仕事に打ち込む」というから楽しみ。毒舌あふれる会話劇にも期待が高まっている。
実は私は原作の宮木あや子さんと親しくさせていただいている。6〜7年程前、『女性セブン』の忘年会で声をかけていただいたのがきっかけだ。宮木さんは、当時、同誌で好評連載していたコミック『花宵道中』(作画・斉木久美子氏)の原作者。
そして2年程前、「『校閲ガール』が日テレでドラマ化されるかもしれない」という話も教えていただいていた。
「正式に決まるといいですね」と陰ながら応援させていただいていたのには、もう一つ、新入社員時代はバラエティ班だった日本テレビの小田玲奈氏が同ドラマに関わっていたからだ。