「来年優勝を逃した上にBクラスで、若手も育たないとなれば、3年契約とはいえ高橋監督は追い込まれる。そんな状況になれば、巨人OBで前DeNA監督の中畑清氏を推す声も出てくるでしょう。
中畑氏はDeNAの観客動員を4年で165%もアップさせ、監督を辞任した今もDeNAファンに愛されている珍しい人物。メディアへの発信力、常に明るく、ファンを第一に考える姿勢は、人気低下の巨人に最も必要なこと。
また、DeNAで筒香嘉智や梶谷隆幸、山崎康晃という主軸を作り上げたように、若手の育成にも長けている。優秀なコーチ陣を揃えれば、鬼に金棒です。今の巨人に最も要素を兼ね備えているのが中畑氏なんです」(同前)
思えば、中畑氏が主力だった1980年代の巨人は生え抜き中心のチームで、巨人戦の視聴率は20%台を連発。1983年の平均視聴率は27.1%と驚異的だった。
「FAで他球団から強奪するチームに魅力がないことは、広島や日本ハムの人気を見ても明らか。以前のように、毎試合地上波のテレビ中継があるわけでもないので、目をつぶって若手を起用できる下地もあるはずです」(同前)
あの頃の巨人メンバーが首脳陣に返り咲き、中畑政権で生え抜きの若手が育つとなれば、ファンが戻ってくる可能性も十分にあるかもしれない。
撮影■山崎力夫