民主党政権の3代の首相が極めて低評価なのは、公約破りで国民の期待を裏切ったからだけではない。この国の政治に生まれかけた2大政党の流れをぶち壊し、国民の政権選択の機会を失わせた罪こそが重い。

「山高きがゆえに貴からず」という。総理も在任期間が長いことだけで評価されるべきではない。再登板後の安倍首相が選挙に勝ち続けて長期政権を維持している一番の理由は、その民主党(民進党)の敵失で国民に他の選択肢がないという消極的支持にすぎない。安倍政権下の選挙が軒並み低投票率なのはそのためだ。

 安倍氏の真の評価は、これからの政治で定まる。

※分析/野上忠興(政治ジャーナリスト)と本誌取材班 
※協力/武冨薫(ジャーナリスト)

●のがみ・ただおき/1940年、東京生まれ。64年、早稲田大学政治経済学部卒。共同通信社社会部、横浜支局を経て、本社政治部勤務。佐藤栄作、田中角栄両首相番、自民党担当キャップなどを歴任。政治部次長、整理部長、静岡支局長などを務め、2000年にフリー。政治ジャーナリストとして活動するかたわら、講義・講演も精力的に行う。

※SAPIO2017年7月号

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