もちろんミュージシャン側の事情もあるでしょう。以前と比べると、「CDセールスが落ち、ライブ以外の収入がほしい」「音楽番組が少なく、知名度を上げる場がない」「ロックからクラシックまでジャンルを問わずビジュアル重視のデビューが増えている」「音楽以外の活動を『カッコ悪い』『邪道』とみなす風潮がなくなった」など、ミュージシャンを取り巻く状況の変化があります。
しかし、それらの事情があるにしても、すでに売れているミュージシャンがドラマ出演することでネガティブな印象を与えるリスクがあるのも事実。そのため本人も所属事務所もミュージシャン活動時と同じイメージの役柄を慎重に選ぶ傾向があり、そこで評価を得られたら再挑戦し、徐々にイメージから離れた役柄を演じるようになっていきます。
この方法はミュージシャンがバラエティー番組に出演するときも同じ。現在は、俳優、芸人、モデル、アイドル、グラビアアイドルなど芸能界全体に「専門分野を超えてボーダレスな活動をしよう」という流れがあるだけに、今後ミュージシャンがどの分野に進出しても驚きません。
◆夏に大量キャスティングされた意味