朝日新聞のスクープがなければ、この3月に捜査が終結し、財務省の公文書改ざんという罪は世に問われることもなく、密かに闇に葬られた危険性もある。だからこそ非常に意味のある報道ではある。半面、仕切り直したはずの捜査には、さしたる変化はなかった。まさに、政治判断の捜査終結という以外に言葉が見あたらない。
結果として捜査の幕は閉じられた。5月31日、大阪地検特捜部長の山本は、前理財局長の佐川をはじめ告発された財務省関係者ら38人全員の起訴を見送ったと記者発表した。案の定、不起訴の理由は詳らかにせず、「捜査を尽くした」と繰り返す言葉がむなしく響くばかりだった。
※週刊ポスト2018年6月22日号