芸能

志尊淳、中村倫也、間宮祥太朗…なぜカメレオン俳優が大増殖?

志尊淳もカメレオン俳優のひとり

 最近よく目にする「カメレオン俳優」というキーワード。大増殖の背景にはさまざまな理由があるようで…。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが分析する。

 * * *
 現在、朝ドラ『半分、青い。』(NHK)に出演している志尊淳さん(23歳)、間宮祥太朗さん(25歳)、中村倫也さん(31歳)のことを「カメレオン俳優」と称える記事がネットを中心に増えています。

 朝ドラの3人だけではありません。ここ1年くらいだけで、窪田正孝さん(29歳)、神木隆之介さん(25歳)、菅田将暉さん(25歳)、池松壮亮さん(28歳)、成田凌さん(24歳)、染谷将太さん(25歳)、太賀さん(25歳)ら、多くの20代俳優が「カメレオン俳優」としてフィーチャーされました。

かつて、山田孝之さん(34歳)、綾野剛さん(36歳)、松山ケンイチさん(33歳)らが「カメレオン俳優」と呼ばれていたときもありましたが、当時とは明らかに異なる大増殖の理由は何なのでしょうか?

◆「さまざまな役を演じる」のが俳優の本分

 最大の理由は、ネットメディアの増加とページビュー狙い。

 大手新聞系から、雑誌系、テレビ系、専門サイトまで、ネットメディアは乱立状態が続いています。特に芸能は「ソフトニュース」と呼ばれるエンタメ、スポーツ、カルチャー、ライフなどの中で最もYahoo!などのポータルサイトや、SmartNewsなどのニュースアプリでトピックス化されやすいジャンル。情報の入手も容易であることから、大半のネットメディアが参入し、トピックス化を目指した記事を量産しています。

 なかでも、売り出し中の若手俳優はページビューを稼ぎやすい絶好のネタであり、その際に「カメレオン俳優」はキャッチーなフレーズ。「まるでカメレオンのように、タイプの異なる人物を演じ分ける」というイメージのしやすさも含め、「タイトルに掲げることでクリックさせやすくなる」と言われています。

 実際、親交のある某媒体の編集者は、「ウチの編集部で『カメレオン俳優の記事はバズる』と言われている」と話していましたし、私自身にも「カメレオン俳優の切り口で記事を書いてもらえないか」という依頼が何度かありました。

 ただ、もともと俳優は「さまざまな役柄を演じること」が職業であり、「どんな役でも演じられるのが普通」のはず。上記に挙げた若手俳優たちがインタビューなどで、「そう言ってくださるのはありがたいことなんですけど……」と苦笑いを浮かべる姿をよく見かけます。

 もう少し彼らの本音を推察すると、「まだまだカメレオン俳優の域には、全然到達していない」「怖い役とか、クズの役とか、分かりやすくトガった役を演じると、そう言ってもらえるのかな」。地上波でドラマを手掛ける某プロデューサーに尋ねてみましたが、「演技が上手な人のことをそう言っているだけではないか。もしそう見えたとしても、脚本や演出によるところも大きいのでは」と話していました。

 前作とは大きく異なる役を演じると「〇〇〇〇がカメレオン俳優ぶりを発揮」と記事化しやすい点も含め、やはり現在の「カメレオン俳優」大増殖は、メディアによる仕掛けの部分が大きいのです。

◆マネジメント側は「真逆の役を演じさせたい」

関連記事

トピックス

降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
警視庁がオンラインカジノ店から押収したパソコンなど(時事通信フォト)
《従業員や客ら12人現行犯逮捕》摘発された店舗型オンカジ かつての利用者が語った「店舗型であれば”安心”だと思った」理由とは?
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
看護師不足が叫ばれている(イメージ)
深刻化する“若手医師の外科離れ”で加速する「医療崩壊」の現実 「がん手術が半年待ち」「今までは助かっていた命も助からなくなる」
NEWSポストセブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
キール・スターマー首相に声を荒げたイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
《英国で社会問題化》疑似恋愛で身体を支配、推定70人以上の男が虐待…少女への組織的性犯罪“グルーミング・ギャング”が野放しにされてきたワケ「人種間の緊張を避けたいと捜査に及び腰に」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン