57年にわたる歴史のなかで、数多の名女優を生み出してきた朝ドラ。ドラマ評論家の成馬零一氏が語る。
「これまでの朝ドラヒロインは、苦境にも負けない強さや、理想の母親像であったり、いろんなものを背負ってきました。しかし近年はそのイメージが崩れてきた。ひよっこの有村が典型ですが、“なにも背負ってない”んです。ただ素直に生きている可愛い娘を等身大で描いている。背景にあるのはもちろん時代の変化でしょう。貧困から社会進出、そして自由な女性へ。今回のアンケートで、最近の作品のヒロインが数多くランクインしているところを見ると、視聴者の好みもまた朝ドラと共に変わっていったことを実感します」
来年4月放送予定の『なつぞら』(主演・広瀬すず)で100作目を迎える朝ドラとそのヒロインは、これからも時代を映す鏡であり続けるのだろう。
※週刊ポスト2018年8月17・24日号