干される理由としてマスコミでもたびたび取り上げられるのが、所属事務所からの移籍・独立だ。ギャランティなどの契約体制への不満が露呈した時にそうしたケースが多く見られる。「円満退社」も多いが、中には事務所とのトラブルが発生する場合もある。
「例えば、某タレントが、個人事務所を立ち上げようとしたことで揉めたというケースがありました。双方、直接このことについて触れている機会がないため真実のほどは定かではありませんが、トラブルのイメージがあって番組側からすれば“起用しにくい”と敬遠することは実際あります。それが“干された”というなら、そうなのでしょう」(A氏)
これは別のタレントのケースだが独立後、業界関係者からテレビ局などに「使わないでくれ」とお達しが回ったこともあったという。それに従うかどうかは起用する側の判断となるが、先に述べたようにリスクを冒してまで起用に踏み切ることはないようだ。
また、爆笑問題・太田光の妻で、彼らも在籍する個人事務所タイタンの代表・太田光代氏が、ニュースサイトで、こんなことを言っている。もともと彼らは太田プロダクションにいたのだが、「爆笑問題がいきなり太田プロを辞めてしまったんです。芸能界で絶対やってはいけない不義理を犯し、彼らは仕事を失いました」と振り返っている。さらに、「3年後ようやく太田プロに戻れそうだったのに太田が『戻らない』と言い出して。他の事務所に所属したらまた問題が出る。だったら私が事務所をやるしかないと覚悟してタイタンを立ち上げたわけです」。
補足すると、爆笑の2人は、彼らをスカウトし、育ててくれた太田プロをわずか2年ほどで飛び出した後、仕事が激減。3年後、ようやく雪解けして太田プロから「戻ってもいい」と言われたのにそれを突っぱねたということだろう。
彼らの仕事が激減した理由が、圧力なのか、忖度なのか、それとも当時の彼らの実力不足だったのかは不明だが、光代氏が彼らの独立を“芸能界で絶対やってはいけない不義理”だとして、それによって“仕事を失った”と語っていることは注目だろう。
◇視聴者からのバッシングも原因に?
最近多いのが、不倫スキャンダルによる露出減である。これは主に視聴者からの嫌悪感が、今のSNS全盛の時代、1つの強大な力となってスポンサーやプロダクションに、そのタレントの起用を中止させる事態となっているというもの。これも結果的に「干される」ということの新しい動きと言えるだろう。
人気タレントが突然、テレビからいなくなったらその時は、実は「干された」のかもしれない。(芸能ライター・飯山みつる)