体操の内村航平は、“絶対王者”と呼ばれたかつての自信が見えてこない。スポーツジャーナリストの折山淑美氏が語る。
「個人総合での優勝にこだわってきた彼が、最近は『種目別を狙う』と、控え目な発言に終始しています。リオ五輪銀メダリストのオレグ・ベルニャエク(ウクライナ)ら若い世代の追い上げもあり、少し弱気になっているのかもしれません」
ロンドン五輪で銀メダルに輝いた女子サッカー「なでしこJAPAN」は、6月開催のW杯がメダル獲得を占う試金石になる。
「女子サッカーはW杯と五輪を同じメンバーで戦います。澤穂希や宮間あやのようなスター選手が不在のなかで、イングランド、スコットランド、アルゼンチンと強豪揃いのグループで戦わなければならない。ここで惨敗するようなら、東京五輪も厳しい闘いになるだろう」(サッカーライター)
厳しい闘いが待ち受けているが、光明もある。前出の折山氏が語る。
「ホームならではの声援や、時差ボケなく調整できるなど、自国開催のメリットは確かにある。国内メディアの注目も大きいので、マイナー競技の出場者ほど、『ここで金メダルを取ればメジャー競技になれる』と強い意気込みを持っています。注目されていない競技で、思わぬメダルラッシュがあるかもしれません」
本番までまだ1年以上ある。“五輪公式チャンネルの呪い”を打ち破り、表彰台の中央に日の丸を次々と掲げる姿を見たいものだ。
※週刊ポスト2019年4月26日号