芸能

ジャニー氏の独創的な命名、「たのきん」が浸透していった軌跡

「たのきんトリオ」は、ジャニー喜多川氏の独創的なネーミングセンスがいかんなく発揮された例

 9月4日、ジャニーズ事務所の創業者であるジャニー喜多川氏の「お別れの会」が東京ドームで開かれた。現役所属タレント、OB、関係者、ファン合わせて約9万1500人を集め、故人の人望の厚さを窺わせた。

 ジャニー氏は「シブがき隊」、「光GENJI」、「SMAP」など独創的なグループ名を幾多も生み出してきた。その命名の歴史において、厳密なグループ名とは少し異なるが、異彩を放っているのが、1980年の「たのきんトリオ」だ。

 1979年、ドラマ『3年B組金八先生』(TBS系)の生徒役オーディションで田原俊彦、近藤真彦、野村義男の3人が合格する。金曜夜8時の同時間帯には視聴率25%を超える『太陽にほえろ!』(日本テレビ系)があったため、当初は局内の期待も薄かった。しかし、10月26日に放送が始まると、回を重ねるごとに視聴率が上昇していき、彼らの人気にも火がついた。

 10代女性を読者層にする雑誌『週刊セブンティーン』は『金八先生』を精力的に扱った。1980年2月5日号では近藤真彦、鶴見辰吾、田原俊彦、野村義男の順番で4人の特集が組まれ、リード文には〈ユニークなキャラクターで人気上昇中の悪ガキ4人組〉と書かれている。その後、鶴見を除いた3人の特集にシフトしていき、誌面で“悪ガキトリオ”と呼ばれた。

 この例からもわかるように、ジャニー氏が3人をグループとして選抜したわけではない。『金八先生』の柳井満プロデューサーがオーディションで抜擢し、ドラマを契機に人気を集め、偶発的にトリオとして括られた。そのため、名前が定まっていなかったのだ。当時の記事を読むと、よくわかる。

〈三人ともジャニーズ・プロの所属だが、初めからトリオで売り出したわけではなく、これといった特徴もないのに、「金八」が終わる三月ごろから急に人気が出始め、“新々御三家”と呼ばれるようになった〉(読売新聞夕刊・1980年5月12日付)

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