冒頭のように軽井沢高原文庫を訪ねられた翌24日の昼過ぎ、ご夫妻は壬生(みぶ)基博氏の別荘を訪問された。
「壬生氏は、旧宮家出身の東久邇盛厚(ひがしくにもりひろ)氏と、昭和天皇第一皇女成子内親王の次男です。上皇陛下の甥にあたります。現在は山階鳥類研究所理事長を務められ、生物学者である陛下との会話も弾まれたでしょう」(前出・皇室記者)
壬生邸で語らいのひとときを過ごされた後、ご夫妻が向かわれたのは壬生邸から5分ほどの距離にある“特別な場所”だった。
夜7時少し前だった。すっかり暗くなった林道を抜け、生い茂った木々の間でご夫妻を乗せた車が止まると、おふたりはレンガ造りと木造の家が3軒建ち並ぶ方へ向かわれ、そのうちの落ち着いた茶色のレンガ造りの別荘の扉をくぐられた。
実はその一帯は、美智子さまのご実家である正田家が所有する別荘地だ。美智子さまにとっては思い出深い地でもある。
「美智子さまは幼少の頃から、夏休みを軽井沢の別荘で過ごされてきました。昭和20年の夏、終戦を迎えられた疎開先でもあります。当時10才だった美智子さまは、別荘の庭の桑の木の実でジャムを作られたり、飼っていたヤギの乳搾りなどをされたそうです。
都内にあった正田邸(東五反田)が2003年に取り壊される際、美智子さまが大事にされてきた白樺の木が、その別荘地に移されたとも聞いています」(前出・皇室ジャーナリスト)