国内

岸田首相退陣で女性皇族に関する議論はどう進む? 首相候補の石破・河野両氏は女系天皇容認、進次郎氏なら大胆な改革の可能性も

8月はご静養には行かず、仕事に邁進される予定だという(4月、東京・八王子市。時事通信フォト)

8月はご静養には行かず、仕事に邁進される予定だという(4月、東京・八王子市。時事通信フォト)

 急転直下の展開である。岸田首相が9月末に行われる自民党総裁選への不出馬を表明したことで、ポスト岸田をめぐる動きが一気に加速した。次期総裁候補と目されているなかには、皇室制度改革に着目する議員も少なくない。いよいよ、天皇家の長子である愛子さまが、「将来の天皇」となる日が来るかもしれない──。

 天皇家は代々、平和への思いを受け継がれてきた。終戦から79年を迎えた8月15日、天皇皇后両陛下は日本武道館(東京・千代田区)で行われた全国戦没者追悼式に出席され、正午に1分間の黙祷をささげられた。また、長女・愛子さまもお住まいの皇居・御所で黙祷されたという。

「広島原爆の日と長崎原爆の日に、両陛下と愛子さまは、皇居・御所で黙祷されました。平和を祈られてきた天皇家のあり方は、愛子さまにも継承されています」(宮内庁関係者)

 愛子さまは、7月24日の後宇多天皇七百年式年祭、8月9日の平城天皇千二百年式年祭に陛下と共にご出席になり、また、式年祭にあたっての事前のご進講には、両陛下と共に臨まれた。表立ったお出ましの回数こそ少ないものの、皇室のご活動に精力的に取り組まれ、さらに並行して、勤務先の日本赤十字社での仕事にも励まれている。

「豪雨や台風、地震の影響もあり、8月は特に忙しいそうです。常勤嘱託職員の愛子さまも例外ではなく、業務に勤しまれていると聞いています。恒例となっていた8月末からの那須御用邸でのご静養にも、今年、愛子さまは同行されず、両陛下おふたりで行かれる見込みだそうです」(前出・宮内庁関係者)

 天皇家の長子である女性皇族として、また、一社会人として、多忙な日々を過ごされる愛子さま。そんな愛子さまを取り巻く環境が、大きく変わろうとしている。

「9月末に行われる自民党総裁選の結果により、愛子さまの将来は大きく左右されます。次の首相になる人物によっては、皇位継承順位に変更が生じる可能性もあるのです」(皇室記者)

 全国戦没者追悼式には、その前日に自民党総裁選への不出馬を表明した岸田文雄首相の姿もあった。新総裁が選出されたのち、岸田首相は退陣する運びとなる。

「自民党内からは交代論も出ていましたが、岸田続投の見立ても多かった。決断の背景には、来年の衆院選を見越して“新しい党の顔”を立てる意図があるとみられています。しかし現状、圧倒的な有力候補はおらず、総裁選は大混戦となることが予想されます」(全国紙政治部記者)

 総裁交代にあたり、岸田首相が昨秋から積極的に進めてきた「安定的な皇位継承」および「皇族数の確保」に関する議論の行く末にも注目が集まる。

「8月7日、衆参両院議長らは会見で、皇族数の確保に関して、女性皇族が結婚後も皇室に残る案について、各党からの意見聴取の結果、おおむね賛同が得られたと発表したばかりです。今後は、女性皇族の配偶者や子供に皇族の身分を付与するかどうかなど、細部を詰めることが課題となってくるでしょう」(前出・皇室記者)

 岸田首相の後継によっては、皇族数の確保のみならず、安定的な皇位継承に関する議論も一気に進展する可能性がある。

「立候補に意欲を持つ議員のなかに、天皇の血を父方から継ぐ女子が即位する『女性天皇』に肯定的な人物は少なくありません。さらに、女性天皇の子である『女系天皇』を容認する考えを持っている者もいます。

 現段階では皇位継承において、“悠仁さままでの流れをゆるがせにしてはならない”とされていますが、天皇家の長子である愛子さまを念頭に、女性天皇の実現を期待する声は根強くある。愛子さまにも皇位継承の順位がつくような議論が大きく動き出す可能性があります」(皇室ジャーナリスト)

関連記事

トピックス

中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
高校時代にレイプ被害で自主退学に追い込まれ…過去の交際男性から「顔は好きじゃない」中核派“謎の美女”が明かす人生の転換点
NEWSポストセブン
スカイツリーが見える猿江恩賜公園は1932年開園。花見の名所として知られ、犬の散歩やウォーキングに訪れる周辺住民も多い(写真提供/イメージマート)
《中国の一部では夏の味覚の高級食材》夜の公園で遭遇したセミの幼虫を大量採取する人たち 条例違反だと伝えると「日本語わからない」「ここは公園、みんなの物」
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《死刑執行》座間9人殺害の白石死刑囚が語っていた「殺害せずに解放した女性」のこと 判断基準にしていたのは「金を得るための恐怖のフローチャート」
NEWSポストセブン
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
《小室圭さんの赤ちゃん片手抱っこが話題》眞子さんとの第1子は“生後3か月未満”か 生育環境で身についたイクメンの極意「できるほうがやればいい」
NEWSポストセブン
『国宝』に出演する横浜流星(左)と吉沢亮
大ヒット映画『国宝』、劇中の濃密な描写は実在する? 隠し子、名跡継承、借金…もっと面白く楽しむための歌舞伎“元ネタ”事件簿
週刊ポスト
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
【独占インタビュー】お嬢様学校出身、同性愛、整形400万円…過激デモに出没する中核派“謎の美女”ニノミヤさん(21)が明かす半生「若い女性を虐げる社会を変えるには政治しかない」
NEWSポストセブン
山本アナ
「一石を投じたな…」参政党の“日本人ファースト”に対するTBS・山本恵里伽アナの発言はなぜ炎上したのか【フィフィ氏が指摘】
NEWSポストセブン
今年の夏ドラマは嵐のメンバーの主演作が揃っている
《嵐の夏がやってきた!》相葉雅紀、櫻井翔、松本潤の主演ドラマがスタート ラストスパートと言わんばかりに精力的に活動する嵐のメンバーたち、後輩との絡みも積極的に
女性セブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン