芸能

秋ドラマ注目すべき女優 石原さとみに松下奈緒と綾瀬はるか

 続々とスタートした秋ドラマ。今期の見所について、作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が言及した。

 * * *
 秋ドラマに登場する女たちを見回してみて、まずは3人の女優に注目したい。

 筆頭は、石原さとみ。「ディア・シスター」(フジテレビ系木曜午後10時)で、まったく逆の性格を持つ姉妹の、妹役・深沢美咲を演じています。姉妹がぶつかり合い、支えあって生き抜く姿を描くコメディタッチのドラマ。「アナ雪」ブームに乗った姉妹ドラマ、と紹介してしまえば軽いけれど、ドラマに登場する人物は妙に現代をリアルに掴んでいて面白い。

 石原さとみが演じるのは、はじけたキャラ。自由奔放、やりたい放題。自分の行き方を変えるつもりはない。その突っ走りスタイルが社会や家族や周囲との摩擦を生み……けれど、意外に他人のことも見えているタイプ。

 一方、姉・深沢葉月を演じているのは、松下奈緒。こちらは典型的なA型的女子。何事も計画。自分の描いた図の中に収まらないと納得できない。人のことを思いやる気持ちは十分あるけれど、同じくらい、自分の中の規範意識が強い。きっちりしすぎて周囲との軋轢が生まれて、自己崩壊気味……。

 石原さとみと松下奈緒、二人の女優。ともにそれぞれ違うキャラクターのポイントをよくグリップしつつ、細かく丁寧に、のびのびと対照的な姉妹を演じきっています。特に姉のタイプ、真面目な日本人によく見られるパターンです。

 働くことが普通になった女子たちにとって、「仕事をきちんとやる」ことと、「自分の人生を自由に生きること」との折り合いは、なかなか難しい。考えすぎれば他人への不寛容や恋愛の不成立、おひとりさま増殖へとつながっていく……。姉妹のキャラクターはディフォルメされているにせよ、どちらも現代に生きる私たち自身の姿を映し出す「鏡」になっている。

 思えば、人は自分のことや自分自身の人生を考える時、何も手かがりがなくては、なかなかうまく考えられない。参照する対象が必要なのです。

 いったい自分はどんなキャラクターで、どんなパターンにはまりやすいのか。どんな人生を生きたいのか。すこし離れて観察し、道を探る手かがりになる。そんな風に視聴すると、ドラマはますます面白くなる。

 そしてもう一人、注目すべき女優が、「今日は会社休みます。」(日本テレビ系水曜午後10時)で主役・青石花笑を演じている、綾瀬はるか。こちらも上手に「こじらせ女子」のキャラクターを演じています。

 花笑は、彼氏いない歴33年&処女歴33年。頭の中は合理的で論理的。想像で組み立てた話が現実を浸食していく、ありがちな「こじらせ女子」の空転ぶり。綾瀬はるかが真面目に演技すればするほど、くっきりと浮き上がるリアルとコミカル。笑わされた後に、うーんと考えさせられてしまう。やはり、ドラマは現実の鏡かも。

関連記事

トピックス

山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
「とにかく献金しなければと…」「ここに安倍首相が来ているかも」山上徹也被告の母親の証言に見られた“統一教会の色濃い影響”、本人は「時折、眉間にシワを寄せて…」【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
マレーシアのマルチタレント「Namewee(ネームウィー)」(時事通信フォト)
人気ラッパー・ネームウィーが“ナースの女神”殺人事件関与疑惑で当局が拘束、過去には日本人セクシー女優との過激MVも制作《エクスタシー所持で逮捕も》
NEWSポストセブン
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン