芸能

リポーター界のレジェンド「おまきさん」が教えてくれたこと

12月7日に亡くなったリポーター・武藤まき子さん(『とくダネ!』HPより)

 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、リポーター界のレジェンド・武藤まき子さんを追悼。

 * * *
 フジテレビ系の朝の情報番組『おはよう!ナイスデイ!』や『とくダネ!』で活躍されたベテランリポーター、「おまきさん」こと武藤まき子さんが虚血性心不全で亡くなった。享年71。女性の平均寿命を考えたら、若すぎる死と言えよう。

 私は日本テレビ系のワイドショーにレギュラー出演していた期間が長かったため、お目にかかるのは取材現場だけだったが、いつも優しく声をかけてくださったり、冗談を言って笑わせてくださったり…。ショートカットがトレードマークで、お召し物もいつも華やか。明るく元気で、訃報の際に知ったのだが、青山学院大出身とのことで、それも含めて「大先輩」だ。

 私の中での「おまきさん」の名場面がたくさんあり、そのいくつかが見られればと思い、7日8時、チャンネルを『とくダネ!』のフジテレビに合わせた。

 冒頭、沈痛な表情で小倉智昭氏がおまきさんの訃報を伝えた。目にはうっすら涙が浮かんでいるようにも見えた。そこから35分間、この日の『とくダネ!』は、武藤まき子さんを出演者、スタッフ全員で偲んだのである。

 私が「出てきてほしい」と願ったおまきさんの名場面が本当にすべて出てきた。ワイドショーのリポーターで、「皇室」「歌舞伎」という“専門分野”をもった唯一無二の存在だったおまきさん。皇太子殿下や皇太子妃雅子さまの懐かしい映像とともに、声をかけたり、花束を渡したりするおまきさんの映像が流れた。

 さらに、この日、市川海老蔵がブログでおまきさんへの感謝の言葉を綴ったり、中村勘九郎、中村七之助兄弟が「私たちにとって優しい親戚の叔母さんのような」とコメントを寄せた。奇しくも、おまきさんが亡くなった日は、彼らの父、十八代・中村勘三郎さんと同じ日だった。

 いまよりもスキャンダルだらけだった芸能界を30年以上も前から先頭で取材していたのに、取材対象者やその家族から「おまきさん」と愛されていたのが武藤まき子さんだった。

 この日の『とくダネ!』出演者は全員が黒やグレーの装いで、久々のスタジオ登場となった芸能デスクの前田忠明氏始め、おなじみのベテランリポーターが勢揃いした。

 まずは『おはよう!ナイスデイ』開始時、リポーターを募集するため、全国のテレビ局に向けて「いい人はいないか」と声かけするも、なかなか見つからなかった際、中国放送でアナウンサーをしていたおまきさんが自ら出演したテープを送り、フジテレビ幹部に電話をしてきたことを明かしたのは前忠さん。

関連記事

トピックス

ネックレスを着けた大谷がハワイの不動産関係者の投稿に(共同通信)
《ハワイでネックレスを合わせて》大谷翔平の“垢抜け”は「真美子さんとの出会い」以降に…オフシーズンに目撃された「さりげないオシャレ」
NEWSポストセブン
今の巨人に必要なのは?(阿部慎之助・監督)
巨人・阿部慎之助監督「契約最終年」の険しい道 坂本や丸の復活よりも「脅かす若手の覚醒がないとAクラスの上位争いは厳しい」とOBが指摘
週刊ポスト
大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平、不動産業者のSNSに短パン&サンダル姿で登場、ハワイの高級リゾードをめぐる訴訟は泥沼化でも余裕の笑み「それでもハワイがいい」 
女性セブン
中居正広氏の近況は(時事通信フォト)
《再スタート準備》中居正広氏が進める「違約金返済」、今も売却せず所有し続ける「亡き父にプレゼントしたマンション」…長兄は直撃に言葉少な
NEWSポストセブン
不倫報道の渦中にいる永野芽郁
《ベリーショートのフェミニスト役で復活》永野芽郁が演じる「性に開放的な女性ヒロイン役」で清純派脱却か…本人がこだわった“女優としての復帰”と“ケジメ”
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の一足早い「お正月」》司組長が盃を飲み干した「組長8人との盃儀式」の全貌 50名以上の警察が日の出前から熱視線
NEWSポストセブン
垂秀夫・前駐中国大使へ「中国の盗聴工作」が発覚(時事通信フォト)
《スクープ》前駐中国大使に仕掛けた中国の盗聴工作 舞台となった北京の日本料理店経営者が証言 機密指定の情報のはずが当の大使が暴露、大騒動の一部始終
週刊ポスト
タレントとして、さまざまなジャンルで活躍をするギャル曽根
芸人もアイドルも“食う”ギャル曽根の凄み なぜ大食い女王から「最強の女性タレント」に進化できたのか
NEWSポストセブン
新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
安達祐実、NHK敏腕プロデューサーと「ファミリー向けマンション」半同棲で描く“将来設計” 局内で広がりつつある新恋人の「呼び名」
NEWSポストセブン
還暦を迎えられた秋篠宮さま(時事通信フォト)
《車の中でモクモクと…》秋篠宮さまの“ルール違反”疑う声に宮内庁が回答 紀子さまが心配した「夫のタバコ事情」
NEWSポストセブン
熱愛が報じられた長谷川京子
《磨きがかかる胸元》長谷川京子(47)、熱愛報道の“イケメン紳士”は「7歳下の慶應ボーイ」でアパレル会社を経営 タクシー内キスのカレとは破局か
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」新年特大号発売! 紅白激震!未成年アイドルの深夜密会ほか
「週刊ポスト」新年特大号発売! 紅白激震!未成年アイドルの深夜密会ほか
NEWSポストセブン