◆「もうえぇかな」と思ったら終わり
最高のスタートダッシュを切ったベテラン勢に、門田氏はこうアドバイスを送る。
「何よりも気をつけないといけないのはケガと気力の衰えです。同じ箇所を何度もケガすると、『なぜこの歳まで野球をしているのか……』と、自分に囁くもう一人の自分が出てくる。僕も引退の前年まで、そんなことは考えたことがなかったが、ふいに『もうええかな』と思えてくる。そうしたら終わりやろうね」
40歳で史上最年長MVPに輝いた門田氏は4年後の44歳でユニフォームを脱いだ。一方、34歳の若さで引退した江本氏は、お馴染みの辛口でこう指摘する。
「これだけベテランが活躍するのは、若手が伸びてこないことの裏返し。それに、松坂大輔(36、ソフトバンク)を見ても分かるように、打者は復活の可能性がありますが、投手は厳しいみたいだね」
投手出身の江本氏の指摘通り、松坂に加え、岩瀬仁紀(42、中日)や杉内俊哉(36、巨人)にはケガの影響が残る。ファンからすれば、彼らの「もう一花」も見たいところだが……。
ベテラン勢の大爆発はシーズン終盤まで続くのか、春先だけの「最後の一花」か。今季の楽しみを増やしてくれたことは間違いない。
※週刊ポスト2017年5月5・12日号