スラッとした細身のスタイルにショートヘア、凜とした雰囲気のA子さんに話を聞いた。本誌の呼びかけに足を止めるとA子さんは吹っ切れているような笑顔を見せた。
──今回の結婚についておふたりにどんな言葉をかけますか?
「おめでとう。おめでとうございます」
──心から祝福できますか?
「うん」
──略奪婚ではないですか?
「そうは思いません」
──おふたりの交際には気づかなかった?
「全然、気づかなかった。ハハハ」
──なんとなく察知してなかったですか?
「う~ん、わかんないなぁ」
──30年来のつきあいでもわかりませんでしたか?
「アハハ、ううん」
──阿川さんとは友人として連絡は取り合っていますか?
「それは…コメントなしで(笑い)」
終始、柔和な表情で答えるA子さん。本誌は阿川さんの結婚報道が出た昨年11月にもA子さんに話を聞いている。その時は、「許せないのではないですか」との問いかけに以下のように語った。
「そんなことは言わないでくださいよ。それで今の私があるんだから。私にとってはもう終わっている話なので、本当にお幸せでいいと思います」
阿川さんとSさん、A子さんが出会ってから5年後に別居、それから20年の間、離婚せずにい続けたA子さんにさまざまな葛藤があったことは想像に難くない。前出の中野さんは「年齢が女性を丸くする」と語る。
「もう若くないってことは大きくて、若い時は生臭い話でもある程度の年齢になると、さっぱりしちゃうんですよ。嫉妬が渦巻くような関係から、お互いにひとりの人間として尊重し合うような関係になれるんです」
阿川さんの告白はこう締め括られている。
《もし街中で、私たち二人が手と手を取って歩いている姿を見つけたとしても、「よ、新婚め!」とからかわないでくださいませ。手を繋いでいるのは、時空を超えた愛ゆえ、すなわち、互いに転ばないためなのですから》
※女性セブン2017年6月8日号