「旧友だった地井さんが亡くなったときの憔悴ぶりは見ていられないほどで、その後2014年に高倉健さん(享年83)と菅原文太さん(享年81)など、同年代の役者仲間が次々逝ってしまったことが相当堪えたようです。その頃から健康不安説が囁かれるようになり、2015年の夏に高熱を出して入院。2週間ほど入院して無事回復しましたが、もともとよくなかった足の具合が悪化して、歩行が困難になってしまったんです。家族で話し合い、老人ホームへの入居を決めたそうです」(前出・芸能関係者)
横浜市内の自宅近辺では、以前から健康のために散歩する田中の姿が頻繁に見かけられていた。しかし、入居後は自宅に戻ることもほとんどなくなり、妻と次女が施設に通う日々が続いた。
「まずは足をしっかり治して、田中さん本人もすぐに家に戻ってくるつもりでいたんです。ですが、思うようにリハビリが進まないこともあって、施設での時間だけが延びていった。自分の体が動かないことに、イライラが募ることもあったそうです。完璧主義者な面もあり、万全な状態じゃないと家に戻れない、と考えていたみたいですね。
認知症というような噂が出回ったことがありますが全然そんなことはなくて。本人が“この年だからせりふを覚えるのも難儀するんだ”と言ったのが独り歩きしてしまったようです。むしろ頭がはっきりしている分、体が不自由なことにさらに悩みが深くなってしまっていたみたいです」(前出・芸能関係者)
だが、施設での闘病が2年を過ぎて、大きな変化が訪れていたようだ。最近になって、田中の自宅玄関に、車椅子用のスロープが設置されたのだ。
「田中さんは自宅に戻る頻度が増えているんです。リハビリの成果が出て自力で歩くことができるようになったのもあって、田中さんにとっては感動の帰宅でしょうね。施設ではなく自宅でも車椅子の生活が日常的に送れるようになれば、次に見えてくるのは役者復帰。倉本さんの構想は独居老人ですから、“車椅子の五郎さん”として、『北の国から』の未来の姿を目にする日がくるかもしれません」(前出・芸能関係者)
どんなに小さくても、その灯は消えない。
※女性セブン2017年10月26日号