芸能

好スタートを切った『陸王』 なぜ走るドラマは支持を集める?

走るシーンが視聴者を惹きつける『陸王』(公式HPより)

 初回視聴率が14.7%を記録する好スタートを切った『陸王』(TBS系)。先週は選挙特番のため、放送は1週あいてしまったが2話以降の視聴率にも期待がかかる。「走る」シーンがよく登場するが、このドラマに限らず「走る」シーンは視聴者を惹きつける重要な要素のひとつだという。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 池井戸潤さんの原作小説、『半沢直樹』『下町ロケット』らを手がけたスタッフ、主演に名優の役所広司さん、助演に若手人気俳優の竹内涼真さんと山崎賢人さん……ポジティブな要素の多かった『陸王』が、期待通りの好スタートを切りました。

 シリーズものをのぞく新作ドラマではトップの視聴率を記録したほか、SNSやドラマクチコミサイトなどの評判も上々。「物語が盛り上がる終盤には、20%台も狙えるのではないか」という声もあがっています。

 そう思わせるのは前述したポジティブな要素に加えて、「走る」をモチーフにした作品だから。同作は、業績不振に悩む老舗足袋業者「こはぜ屋」の再生を描く物語ですが、起死回生の新事業にランニングシューズの開発が選ばれたことで、「走る」シーンの重要性や印象が強くなっています。

 現在放送されている『アシガール』(NHK)も含め、これまでドラマ業界では何度となく「走る」シーンを採り入れた作品が作られてきました。たとえば、前期のドラマでは、奥茨城村の聖火リレーが前半のハイライトになった『ひよっこ』(NHK)、女性マラソンランナーのエピソードが描かれた『あいの結婚相談所』(テレビ朝日系)。

 過去を振り返ってみても、主人公の柏木達也(江口洋介)が元マラソン選手でクライマックスにマラソンシーンがある『ひとつ屋根の下』(フジテレビ系、1993年、1997年)、SMAPの5人が駅伝選手としてタスキをつないだ『僕が僕であるために』(フジテレビ系、1997年)、主人公の南くん(二宮和也)が駅伝部員だった『南くんの恋人』(テレビ朝日系、2004年)、ヒロインの相手役である滝沢薫(長田成哉)が実業団の駅伝選手だった『てっぱん』(NHK、2010年)など、私がパッと思いついただけでも多くの作品がありました。

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン