「就任4年で観客動員を平均9000人も増やした実績があり、現役時代から話題づくりを意識したコメントやファンサービスは天才的。試合後に他人事のような発言を繰り返す高橋監督とは実に対照的です」(スポーツ紙デスク)
DeNA監督時代にAクラス入りはなかったものの、「筒香嘉智(26)を辛抱強く育てた手腕を始め、チーム作りを評価する声は根強い。後任のラミレス監督(43)がCSに進出できたのも中畑さんがつくった土台のおかげと見る選手は多い」(同前)
だが、《巨人・中畑監督》が確実視される理由は、そうした「オモテの評価」だけではない。先の“監督就任の掟”に風穴を開けたい意図が球団内部にあるのだという。
「DeNA監督を務めた中畑氏は、これまでの巨人の価値観では“一度球団を裏切った者”と見なされる。過去の監督にそうした“出戻り組”は誰もいない。ただ、今後のことを考えればその縛りを外したい。その意味でも中畑監督は都合がいい」(スポーツジャーナリスト)
“今後のこと”が意味するものは何か。一度は巨人軍に背を向けた過去があるスター選手──MLBで現役を終えた松井秀喜氏(44)の監督就任だ。
「松井は2012年に現役引退して以降、2015年にヤンキースのGM特別アドバイザーに就任しますが、巨人の肩書きは一切ない。2002年にFA宣言してメジャー移籍する際、当時の渡辺恒雄・オーナー(92)と確執が生じたことが尾を引いているとも言われてきた」(前出・スポーツ紙デスク)
中畑氏が監督になれば、「松井監督」の就任ハードルも下がる。しかも、中畑氏は松井氏と巨人の距離を縮めるキーマンでもある。