◆「光栄な話です」
そして監督人事の最終的な鍵を握るのが、渡辺氏であることは間違いないだろう。
7月6日、前半戦終了の報告に出向いた高橋監督との会談後、東京ドームで試合を観戦した渡辺氏は、「監督はよくやっている。いい選手もいる。みんなバカじゃない。ただ足りないよね。もっと強化しないと。圧倒的に勝つようにね」と取材陣に語った。端々に不満は感じられるが、「監督交代は不要」と取れる。
だが、今のチーム状況は明らかに変わりつつある。
「2004年に中畑氏が助監督打診を断わった(※注)経緯もあり、渡辺氏は本来ならまず中畑氏の監督就任を許さないでしょう。しかし、渡辺氏にとって松井監督誕生は長年の悲願です。巨人の監督候補としていつも松井の名前を挙げ、“松井君しかいないだろ”とも口にしたことがある。
【※注:堀内恒夫監督(70)の続投が決まった翌日に系列紙であるスポーツ報知が「中畑氏への助監督要請」を報じている。報知が報じたことから、この人事は渡辺氏や当時の滝鼻卓雄・オーナーの意向だったと見られただけに、断られて赤っ恥をかかされた】
松井の首を縦に振らせる目処がいまだ立たないなか、説得役を病床にある長嶋氏に頼みようがない以上、中畑氏を頼るしかない状況が生まれつつある」(巨人軍関係者)