国内

女系天皇 「大宝律令、養老律令では認めていた」との説も

天皇皇后両陛下、上皇上皇后両陛下が揃った新年一般参賀(撮影/横田紋子)

 御代がわりの重要儀式がひと段落し、国民の関心が高まっているのが、「新しい皇室のあり方」だ。特に話題となっているのが「皇位継承」についてである。

 皇室に関する法律を定めた「皇室典範」第1条には、《皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する》とある。現在は男系男子、すなわち「父方が天皇の血を引く男子」しか天皇になれない。

 これに従うと、皇位継承者は順に、秋篠宮さま、そのご長男である悠仁さま、上皇陛下の弟である常陸宮さまのお三方に限られ、今上天皇の第1子である愛子さまは天皇になれない。皇室研究者の高森明勅さんが話す。

「皇室典範第12条では、《皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる》とあり、愛子さまや真子さま、佳子さまは、将来ご結婚されれば皇室から離れます。男の子を出産されても、その子供に皇位継承資格はありません。つまり、悠仁さまがご結婚をされて男子をもうけない限り、皇室は断絶する危機にさらされているのです」

 そこで巻き起こっているのが、「女性天皇」「女系天皇」を容認すべきかという議論だ。

 2019年10月に行われた「即位礼正殿の儀」の後に実施された共同通信社の世論調査では、女性天皇に「賛成」が81.9%。これに対し、「反対」は13.5%。女系天皇に「賛成」する人も約70%と、国民の多くが女性・女系天皇を支持していることがわかった。

 与党の実力者からも容認すべきとの意見が相次ぐ。自民党の二階俊博幹事長は11月26日の会見で、「男女平等、民主主義の社会を念頭に置いて考えていけば、おのずから結論は出るだろう」と発言。それに先立つ11月24日には、甘利明税調会長がテレビ番組で、「男系を中心に順位を付け、最終的な選択としては女系も容認すべきだ」と発言した。

「この発言にはとても注目しています。二階氏や甘利氏、さらには“ポスト安倍”の有力候補である岸田文雄政調会長も『皇室の歴史と伝統を考えると女系天皇は慎重に検討しなければならない』としており、“女系天皇はあり得ない”とは言っていません。なかでも甘利氏のような安倍首相の側近がこうした発言をするのは画期的です」(高森さん)

 また、上皇陛下の「生前退位」のご希望を実現するにあたり決議された「皇室典範特例法」の付帯決議では、「安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設」は先延ばしできない重要な課題との指摘もなされた。

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン