目をとじて聞けば10歳の時の興奮がよみがえってくる。これだ。根っからのスポーツと芸能好きな山田は一話作るのに徹底的に話をきいて回り“取材する話芸家”となっていった。ファンもジワリジワリと増えていった。その取材力、記憶力、よどみない喋りを初めてきいた談志は「いいです。その喋り、競馬の実況をうちのセガレにも弟子にも教えてやってくれ」と言った。

「長嶋天覧試合本塁打」、「江川対掛布物語」、広島の「津田恒美物語」も十七回忌の時に作って口演した。得意とする芸能畑も「藤山寛美物語」、「永六輔物語」などが印象深い。

 さぁそこで私はまたひとつ課題を出してみた。爆笑問題の太田光という創造者も魅力的なのだが、その父のエピソードがなんとも愉快でユニークなのだ。

 頭でっかちの下らねぇ評論家と違って物を産み出す職人であり芸術家なのだ(私も太田も芸術学部)。そうこうしている内に数か月前NHKの『ファミリーヒストリー』で太田の父と母が取りあげられ、そのDNAの素晴しさに感動。あの両親から産まれた東京漫才の雄なのだ。

 いま山田はウラ取材を重ね「太田光物語」を一気に語りおろす。5月1日(金)。爆問の事務所は阿佐ヶ谷なので、太田のホーム「座・高円寺2」で開催。太田も私も松村邦洋も出演。3月27日(金)前売開始。

■イラスト/佐野文二郎

※週刊ポスト2020年3月20日号

関連記事

トピックス

遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
横浜地裁(時事通信フォト)
《アイスピックで目ぐりぐりやったあと…》多摩川スーツケース殺人初公判 被告の女が母親に送っていた“被害者への憎しみLINE” 裁判で説明された「殺人一家」の動機とは
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
記者が発行した卒業証明書と田久保市長(右/時事通信)
《偽造or本物で議論噴出》“黄ばんだ紙”に3つの朱肉…田久保真紀・伊東市長 が見せていた“卒業証書らしき書類”のナゾ
NEWSポストセブン
JESEA主席研究員兼最高技術責任者で中国人研究者の郭広猛博士
【MEGA地震予測・異常変動全国MAP】「箱根で見られた“急激に隆起”の兆候」「根室半島から釧路を含む広範囲で大きく沈降」…5つの警戒ゾーン
週刊ポスト
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン