ご決断の背景には、感染拡大に対する天皇ご一家の強い憂慮があるという。
「天皇ご一家がお出ましになるとなれば、ご静養先の地元の人を含めて大勢の人が集まり、“密”が生じます。自分たちが原因で感染拡大につながってはならないと考えられたのでしょう」(前出・宮内庁関係者)
両陛下には、全国戦没者追悼式に万難を排して出席するという使命感もあったという。前出の宮内庁関係者の話。
「全国戦没者追悼式は、両陛下が絶対に出席しなければならない、ほかの式典とは比較ができないほど、大きな意味を持つ式典です。
一方で、いまの時期にコロナ陽性が発覚した場合、参列は見合わせていただくしかない。ただでさえ、宮内庁内でもすでに100人以上が感染しています。万が一、ご静養の移動の際に感染し、追悼式に出席できないという事態はあってはならないですから、万全を期されたのでしょう」
ご静養は残念ながら実現しそうにない。しかし、祈りを捧げる日の重要性は、愛子さまも充分に理解されている。
平和を人任せにしてはいけない
学習院大学3年生の愛子さまは、夏休みを過ごされている。学期中と同じく御所でのおこもりを徹底され、同級生との交流もままならないなか、読書を楽しまれているという。
「愛子さまは文学部に在籍中です。特に平安文学がお好きで、源氏物語を好んで読まれているそうです。原爆の日の8月6日と9日は両陛下とともに、15日はおひとりで、御所で黙祷を捧げられました」(前出・皇室記者)
天皇家の平和を重んじられるお気持ちは、代々継承されている。上皇陛下は皇太子時代、沖縄慰霊の日、広島・長崎の原爆の日、終戦の日を「忘れてはならない4つの日」として挙げ、毎年黙祷を捧げられた。
「上皇陛下は、陛下がご幼少の頃から、平和の尊さを徹底して示されたそうです。上皇ご夫妻のなさりようから、陛下は『忘れてはならない4つの日』の重要さを学ばれたことでしょう」(皇室関係者)