2023年10月

安倍晋三氏は、天皇家は一貫して男系男子によって継承されてきたため「万世一系」であるべきだという考えを主張してきた(写真は2023年10月。JMPA)

 令和皇室らしさは、これまでも徐々に打ち出されてきた。象徴的なのは「国際親善」に関する分野だ。2022年11月、ポルトガルの議長夫妻やモンゴルの大統領夫妻との面会の際、両陛下は丸テーブルで懇談された。

「平成時代は、上皇さまが男性と、美智子さまが女性と向かい合われる形でした。“令和流”の丸テーブルは、平成のスタイルよりも4人の距離が近く感じられ、親近感が増すのではないでしょうか。また、両陛下はともに語学が堪能なため、賓客とは直接英語で話されます。通訳の出番がないことも多々あるそうです」(前出・皇室記者)

 昨年11月、キルギス大統領夫妻との宮中午餐会では、初めて和食を提供。長らく慣例となっていたフランス料理のメニューを一部変更された。また、ベトナム国家主席夫妻を賓客として招かれた際には、両陛下のご提案により、日本酒で乾杯を行ったという。

「雅子さまは、1998年のお誕生日に際した会見で『国際親善は、皇室の担っている役割の中でも一つ大切な事だと思っております』と語られました。外務省をはじめ政府は、元外交官として国際親善における“勘所”を理解しておられる雅子さまの外交力に大きな期待を寄せています。

 陛下も、外国の賓客を招かれる際には、両国の友好のために何ができるかということを、頻繁に雅子さまとご相談されるそうです。雅子さまの的確なアドバイスもあり、おふたりでおもてなしの仕方を決められているといいます」(前出・宮内庁関係者)

 放送作家のつげのり子さんは、両陛下と国際親善の親和性を次のように分析する。

「両陛下とも、海外での生活経験があります。その国に根付いた文化や習慣を肌で感じることの重要性を理解されているため、心を打つおもてなしを実現できるのではないでしょうか。また、雅子さまは、ハグやチークキスなどフランクな交流にも慣れていらっしゃいますから、限られた時間であっても、親密な雰囲気を醸成できるのでしょう」

 今年期待されているのが、コロナ禍で2020年以来延期になったイギリス公式訪問だ。

「皇室は代々、英王室との関係を大切にしています。宮内庁も『できるだけ早い時期に』という見解を示している。具体的には5月頃訪問の方向で調整中のようです」(前出・宮内庁関係者)

 もうひとつ、訪問先として浮上している国がある。国交樹立から100周年という節目の年を迎えるトルコだ。令和皇室とトルコのかかわりは深い。2019年7月、両陛下はトルコのエルドアン大統領夫妻と皇居で面会。即位後初めての大統領夫妻との懇談だった。

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