国内

愛子さま、結婚に立ちはだかる「夫婦別姓反対」の壁 将来の夫が別姓を名乗れないなら結婚はままならない 世論から目を背けて答えを出さない政府への憂悶

依然として将来が不明瞭なままである愛子さま(2025年3月、神奈川・横浜市。撮影/JMPA)

依然として将来が不明瞭なままである愛子さま(2025年3月、神奈川・横浜市。撮影/JMPA)

「選択的夫婦別姓」が議論の俎上に載せられてから、およそ30年。多くの女性を悩ませてきたこの問題が、プリンセスの結婚の新たな障壁となっている。雅子さまが深く憂慮される、この国の現状を徹底レポート。 

 うららかな春の日差しに包まれた東京・赤坂御用地内にある庭園・赤坂御苑。4月22日、春の園遊会が開催され、天皇皇后両陛下をはじめ、皇族方と約1500人の招待客が参列した。 

「今回の園遊会では、62年ぶりに大きなルール変更が行われました。これまで、陛下を先頭に一列に並んで歓談されていたのが、3つのルートに分かれて歓談される形式に。雅子さまは時折身振りも交えながら、招待客とのやりとりを心から楽しんでおられるご様子でした」(宮内庁関係者) 

 まぶしい笑顔を見せられた裏で、雅子さまはここ最近ご多忙を極められていた。 

「4月7日に日帰りで硫黄島をご訪問し、11・12日には大阪・関西万博へ1泊2日でお出まし。さらに16日は『日本国際賞』の授賞式に出席され、その夜にはトンガ皇太子夫妻を御所に招いて夕食を共にされました。怒濤の日程をこなされた後はさすがにお疲れのご様子で、18日にご出席と目されていたバレエ鑑賞は陛下のみのご参加となり、雅子さまは姿を見せられませんでした。園遊会に万全の体調で臨むためのご判断だったのでしょう」(皇室記者) 

 激動の4月を過ごされた雅子さま。一方で国会では、愛娘・愛子さまの将来にかかわる重要な会合が行われた。17日、「安定的な皇位継承のあり方」を議論するため、衆参両院の議長・副議長と各党の代表者らによる会合が開かれたのだ。 

「令和皇室は、皇族数の減少という大問題を抱えています。天皇陛下の次世代の皇族は、佳子さま、愛子さま、悠仁さまの3名のみ。さらに現在の皇室典範では、女性皇族は結婚後に皇室を離れることになります。このままでは、皇室の存在そのものが揺らぎかねない」(皇室ジャーナリスト) 

 この危機的状況を受け、少しずつ協議が進められている。 

「今回の会合では『女性皇族は結婚後、皇室に残るかどうか選択できる制度を設けるべき』という意見が相次ぎました。この点についてはすでに与野党各党の間でおおむね賛同が得られており、合意にいたるのはほぼ確実とみられています。なお、夫とその子供については、一般人の身分が保持される方針です」(政治部記者) 

 当事者である愛子さまご自身は、結婚後も皇室に残られることについて前向きにお考えだろう。 

「大学卒業後、愛子さまが海外留学の道を選ばれなかったのは、皇族減少も含めた皇室の危機を深慮されたからこそ。成年皇族のひとりとして公務を担われ、両陛下をおそばで支えたいというお考えでしょう」(前出・宮内庁関係者) 

 整備されつつある愛子さまの将来の道。だが、どうしてもクリアしなければならない大きな課題がある。 

「愛子さまの結婚後を具体的に想定すると“夫婦の名字のあり方”に関する難題が浮かび上がってくるのです」(前出・宮内庁関係者) 

 日本では現在、結婚すると夫か妻のどちらかの姓に統一しなければならないという「夫婦同姓」が法的に義務づけられている。 

「愛子さまが結婚後、皇室に残られる場合、愛子さまを当主とする『宮家』が創設されます。現在、愛子さまは『敬宮』という『宮号』をお持ちですが、結婚されれば、陛下から新たな宮号が与えられると考えられます。宮号は称号ではあるものの、実質的には名字として機能しています。 

 仮に夫が愛子さまの名字を名乗るとなると、皇族でもない一般人の夫の名字が『○○宮』となり、現実的ではありません。一方、愛子さまが一般人の名字を名乗ることになれば、皇族という実態に適さない。現在検討されている方針では、『夫婦同姓』の原則にそぐわないのです」(前出・宮内庁関係者) 

 夫か妻か—─そのどちらかの名字を選択しなければならない現行の制度では、愛子さまは結婚もままならないという状況なのだ。 

「解決策は『夫婦別姓』を採用することです。そうすれば愛子さまの皇族としてのお立場が揺れることはありませんし、将来の夫も仕事などに支障なく一般人としての日常生活を送ることができます」(前出・宮内庁関係者) 

関連記事

トピックス

連敗中でも大谷翔平は4試合連続本塁打を放つなど打撃好調だが…(時事通信フォト)
大谷翔平が4試合連続HRもロバーツ監督が辛辣コメントの理由 ドジャース「地区2位転落」で補強敢行のパドレスと厳しい争いのなか「ここで手綱を締めたい狙い」との指摘
NEWSポストセブン
伊豆急下田駅に到着された両陛下と愛子さま(時事通信フォト)
《しゃがめってマジで!》“撮り鉄”たちが天皇皇后両陛下のお召し列車に殺到…駅構内は厳戒態勢に JR東日本「トラブルや混乱が発生したとの情報はありません」
NEWSポストセブン
事実上の戦力外となった前田健太(時事通信フォト)
《早穂夫人は広島への想いを投稿》前田健太投手、マイナー移籍にともない妻が現地視察「なかなか来ない場所なので」…夫婦がSNSで匂わせた「古巣への想い」
NEWSポストセブン
2023年ドラフト1位で広島に入団した常廣羽也斗(時事通信)
《1単位とれずに痛恨の再留年》広島カープ・常廣羽也斗投手、現在も青山学院大学に在学中…球団も事実認める「本人にとっては重要なキャリア」とコメント
NEWSポストセブン
芸能生活20周年を迎えたタレントの鈴木あきえさん
《チア時代に甲子園アルプス席で母校を応援》鈴木あきえ、芸能生活21年で“1度だけ引退を考えた過去”「グラビア撮影のたびに水着の面積がちっちゃくなって…」
NEWSポストセブン
釜本邦茂さん
【追悼】釜本邦茂さんが語っていた“母への感謝” 「陸上の五輪候補選手だった母がサッカーを続けさせてくれた」
週刊ポスト
有田哲平がMCを務める『世界で一番怖い答え』(番組公式HPより)
《昭和には“夏の風物詩”》令和の今、テレビで“怖い話”が再燃する背景 ネットの怪談ブームが追い風か 
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《ラーメンにウジ虫混入騒動》体重減少、誹謗中傷、害虫対策の徹底…誠実な店主が吐露する営業再開までの苦難の40日間「『頑張ってね』という言葉すら怖く感じた」
NEWSポストセブン
広島・広陵高校の中井哲之監督と会見を開いた堀正和校長
【「便器なめろ」の暴言も】広陵「暴力問題」で被害生徒の父が初告白「求めるのは中井監督と堀校長の謝罪、再発防止策」 監督の「対外試合がなくなってもいいんか?」発言を否定しない学校側報告書の存在も 広陵は「そうしたやりとりはなかった」と回答
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《過激すぎる》イギリス公共放送が制作した金髪美女インフルエンサー(26)の密着番組、スポンサーが異例の抗議「自社製品と関連づけられたくない」 
NEWSポストセブン
1990年代、多くの人気バラエティ番組で活躍していたタレント・大東めぐみさん
《交通事故で骨折と顔の左側の歯が挫滅》重傷負ったタレントの大東めぐみ「レギュラーやCM失い仕事ほぼゼロに」後遺症で15年間運転できず
NEWSポストセブン
悠仁さまに関心を寄せるのは日本人だけではない(時事通信フォト)
〈悠仁親王の直接の先輩が質問に何でも答えます!〉中国SNSに現れた“筑波大の先輩”名乗る中国人留学生が「投稿全削除」のワケ《中国で炎上》
週刊ポスト