だからこそ「準主演はあっても、主演として名前を張るというのがなかなか厳しいのかもしれません。つまり朝ドラやっても必ず人気女優になれるとは限らないし、主演待遇になることは実は少ないんじゃないでしょうか」と昨今の朝ドラ女優がその後厚遇されているのでは? といった空気には異議を呈す。

「一般的な人気女優になるかどうかは、視聴者的にはやはりヒロインとして艱難辛苦を乗り越えた強さがあったかどうか、だと思うんです。『カーネーション』の尾野真千子、『ごちそうさん』の杏、『あさが来た』の波瑠あたりは、実力もさることながら、物語の中で本当に女として辛酸を舐めて、泥水すすって、成長を遂げたという印象があります。そこはドラマ業界のみならず、我々一般の視聴者にも心に残るモノが大きいと思うんです。

 最近はヒロインにあまり重荷を背負わせない傾向が強くて、個人的には物足りません。ふわふわキャッキャした女子サークルのヒロインは、たいがいその後、成長できないと思います。ただし、そんな彼女達をTBSの『日曜劇場』が即効すくいあげるという謎の構図もできています。土屋太鳳は『下町ロケット』へ、芳根京子は『小さな巨人』へ、といった感じです」(吉田氏)

 そして、「朝ドラ女優」であるからといってそれをステイタスのように扱い、女優自身が過度な自信を持つことへの懸念も示した。朝ドラに出ている、ということに加え、「人間性」が大事だという指摘だ。

「番組宣伝や、自身の知名度向上において、SNS等インターネットでの露出はある程度必要なのかもしれませんが、ネット以前に、本人が自分の言葉を持っているかどうか、リテラシーとプロ意識があるかどうかで、そこに書かれる内容も変わりますよね。

 おそらく高畑充希は自分の言葉を持っていて、記者発表などでもきちんと受け答えができる女優です。だからこそ今や、薬、化粧品、酒など、ナショナルブランドのCMに引っ張りだこなのだと思います」(吉田氏)

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